きみは硝子のゼラニウム
「え?」
「このままでいい。いくら?」
またしても、なんで?と頭の中でぐるぐる考えながら、私は値段を伝え、お金を受け取る。
ほんとにこのままでいいの?しかも、バラなんて…。
さっき、花言葉の話をしたからなのか、正直気になって仕方がない。
『一目惚れ』
――誰にあげるの?なんのために?
ぎゅっと唇を結び、バラを手渡す。
「ありがとうごさ、」
ありがとうございました、と言いかけたその瞬間、彼がふと私に向かってそのバラを差し出してきた。
「え、と…あの」
「もらってくれない?」
「…なんで?」
なんで、なんで、なんで?
さっきからずっと、頭の中でその言葉がぐるぐる回る。
これが一番意味が分からない――心臓がドクドク鳴って、息が止まりそうになる。
でも、バラを見つめる彼の真剣な瞳を見たら、断れそうにない自分がいる。