【完】きみは硝子のゼラニウム
ぽけーっとそのやりとりを見つめていると、もう1人のほうと目が合った。
ナチュラルマッシュの柔らかそうな髪がふわりと揺れて、整った横顔がゆっくりこちらを向く。
あ、これは、女子からの人気がたいへん高そうな人だ…。
「あれ?もしかして尋、女子と回ってたん?」
「…そーだけど、悪い?」
「へー、意外」
ナチュラルマッシュの彼が目を丸くして、面白そうに笑った。さっき体当たりしてきた彼も、「マジで?尋が?」って大げさなくらい驚いている。
……まあ、そうなるよね。いきなり知らない女子が尋くんと一緒に学祭を回ってるんだから。私だって逆の立場ならびっくりする。
どうすればいいのかわからなくて、とりあえず口角を上げて、にこっと笑ってみる。
たぶん、不自然。頬がひきつってる気がするし、目も泳いでる気がする。
やばい、これ変な子って思われてないかな。頭の中でぐるぐる不安が回る。