きみは硝子のゼラニウム




……そもそも、なんで、私は尋くんに期待してるの?

尋くんなら、私を見捨てないはず、なんて。そんな確証どこにもないのに。

なのにどうして、あの手の温度を思い出すたびに、“きっと大丈夫”なんて思ってしまうの。



「…っ、ふっ……ぅ……」



涙がぽたぽたと床に落ちる音が、やけに大きく感じる。


意味がわからない。自分で「いいよ」って言ったくせに。


今になって、やっと気づく。


『まあいいや。ひながそう言うならいいけど、しんないからね』


——あの言葉、尋くんの言った通りだった。

言わなきゃよかった。こんなに、胸が締めつけられるなんて思わなかった。



「……。」



……こんなところで泣いてる場合じゃない。

スリッパ、片付けよう。



そう思って、ぎこちなく立ち上がった瞬間だった。



——肩を、グイっと引かれる感覚。


反動で振り向くと、目の前に焦った様子の尋くんが立っていた。



「…ひっ、尋くんっ…?」



……なんで、今ここに…?



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