きみは硝子のゼラニウム




はあ、はあ、と肩で荒い息をして、額には小さな汗。

目が合うだけで、心臓が跳ねる。

尋くんも、私を見て、大きく息を吐いた。



「…っ、ここにいろって言ったのにいねーし、見つけたと思ったら、泣いてるし、どーしたの」



早口で、言葉の端々に、焦りが混じる。



息が整う前に——両手が、私の顔を包み込む。


柔らかくて、あたたかくて、少し熱い。



「…どーしたの、なんて…こっちのセリフ、で…」



…………なんで戻ってきたの。

さっき行ったばかりでしょ?

なんで、今ここに……。



尋くんの顔を見た途端、また視界がうるうると涙で溢れてくる。


隠そうとしても、頬を包む彼の手がそれを許さない。顔を背けても、手が優しく抑えるように触れている。



「…ひな。まじで分かんねーの?ていうか、ひなも同じなんじゃねーの?」


「…っ、」



同じって、なに?

分かんねーのって、どういうこと?

わかんないよ。

何も、何も、わかんない。



だって、尋くん……私は……私だけが……。



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