絶対恋度
なんなく一階にあるコンビニへたどりついた。パンと卵と牛乳、それからインスタントのコーンスープを買った。それから、替えの下着と旅行用のスキンケアグッズを揃えた。この国に生まれてよかった。徒歩圏内にある24時間営業のコンビニで最低限の日常を揃えられるなんて、これはもう、文明の勝利だ。
それとほぼ同時にあの家への心残りも過ぎる。冷蔵庫にいれたまま、楽しみにしていたチョコレートや旅行土産、大事に使っていた化粧水や美顔器……ああ、出来ることなら持ち帰りたかったし、買っただけでまだ開けていない服も眠っている。
「いれなよ」
ため息を落としていれば、燈埜にカゴを押し付けてくる。燈埜のカゴには、エナジードリンクやゼリー飲料が入っている。
「このくらい自分で買いますよ」
「このコンビニ、マンションの居住者は一ヶ月分まとめて請求されんの。だから別に良いよ」
「(……え、そうなの?)」
一瞬、ツケ払いのようなものだろうかと考えた。
管理費と一緒に決済されるのか、専用のカードがあるのか。わたしの知らない世界のシステムだけど、郷に入れば郷に従え、だ。
今は一円だって無駄にしたくない。お言葉に甘えて、スキンケアセットをそっと燈埜のカゴへ移した。