絶対恋度


「でも今の彼女だったら、女と暮らすって言っても、別にいいよって言いそう」

絃葉は他人事のように自分をなぞる。価値観は人それぞれだ。ひとりの人と長く付き合いたいわたしとはちがって、絃葉は恋人を短いスパンでころころと変えている。色んな恋愛事情を見てきたけれど、他の女性との同居を了承する恋人がいるなど、正直理解し難い。

「まさかセフレのこと彼女って言ってる?」

「ちげえし。つか、してねえし」

「あら?あらあら〜?」

どうやらいつもの恋愛とは違うらしい。にやりとほくそ笑んでいれば、絃葉はやれやれとため息を吐いた。

「つか、それよりあの荷物まじでどうした。出張帰りに鍵無くした?で、彼氏に怒られたんだろ」

「ちがう。別れた」

幼なじみの見解を、四文字の事実で叩きつけた。

「ん?んー……?お前、別れる感じだった?ちょっと前彼氏と海外旅行行ってたろ」

「あー…そうだ。あの時の引き落とし、今月来るじゃん」

両手で顔を覆い項垂れた。あんなに楽しかった思い出が高額な負債としてのしかかる。

先月、二人で有給を合わせて海外に行った。何ヶ月も前から計画を立てて、それを楽しみに仕事に励んでいた。
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