君となら地獄を見たい
何かの拍子に目が覚めると、まだ霞む視界に寿砂の寝顔が映った。
その瞬間、昨夜のことを思い出し、何だか恥ずかしさもあったが、圧倒的に寿砂への愛おしさの方が勝っていた。
(寝顔、可愛いなぁ。)
寿砂の寝顔を見てそんな事を思ったが、ふと(あれ?今何時?)とハッとする。
わたしは上半身を起こすと、寿砂の部屋にあるデジタル時計に視線を移した。
時刻は"8:07"を示しており、少しホッとする。
(良かった···、寝過ぎちゃったかと思った。)
しかし、今日はメンバー全員に召集がかかる日だ。
ゆっくり寝ているわけにもいかない。
わたしはまだ眠る寿砂の頬にそっとキスをすると、ベッドから降りようとした。
その瞬間、腕を掴まれ、ベッドへと引き戻されたわたしは、一瞬にして寿砂の上に乗っかってしまっていた。
「何でホッペなんだよ。」
寝ぼけ眼でそう言う寿砂。
わたしが「何だぁ、起きてたの?」と言うと、寿砂は「夏菜のキスで起きた。」と言い、まだ寝惚けながらわたしを抱き締めた。
「キスで目を覚ますなんて、わたしが王子様みたいだね。」
「俺が姫か。」
そんな会話をしながら、寿砂への愛おしさが増している事を実感した。
それからわたしは寿砂の部屋を出るとシャワーを浴びにシャワールームへと向かった。
シャワーを浴びながら、昨夜の寿砂との行為を思い出してしまう。
(よく考えたら、わたし結構大胆なこと言ってなかった?恥ずかしっ······)
そんなことを思いながら、わたしは気持ちを引き締めるつもりで頭からシャワーをかけた。
シャワーから上がり、着替えと支度を済ませると、わたしはみんなが集まる予定のリビングに掃除機をかけ始めた。
すると、シャワーを浴び終えた上半身裸の寿砂がスウェット姿でやって来て、冷蔵庫から取り出した500mlペットボトルのミネラルウォーターを飲みながら、わたしの姿を眺めていた。
「何?人のこと、ジロジロ見て。」
「いや。夏菜が奥さんになった時の事、ちょっと想像してた。」
「勝手に決めないでよ。わたし、奥さんになるなんて一言も言ってないけど〜?」
「言ってないけど、なるんだよ。」
「なにそれ。」
寿砂とそんな会話をしていると、わたしたちとは別の視線に気付き、わたしはふと奥の廊下の方に視線を移した。
そこには、ニヤニヤしながらこちらを覗く、ボスの姿があった。