君となら地獄を見たい
わたしは一閃くんを助けられなかった無力な自分に苛立ち、床に落ちた一閃くんの手を握り締めた。
しかし、哀しみに浸っていられる時間すら許されるわけも無く、わたしは寿砂に支えられながら立ち上がった。
寿砂は、開いたまま光を失った一閃くんの瞳に手を伏せ、瞼を落とし、それから椅子に座ったまま俯き頭を撃ち抜かれていた大樹さんの瞼もそっと閉じさせた。
監視室のモニターは、全て割れて砕け、たくさんの破片が床に散らばっている。
大樹さんが座る椅子のすぐ傍には、頭を撃ち抜かれ仰向けの状態で倒れるイタチの姿があり、寿砂とわたしはイタチの姿に冷たい視線を落とし、一閃くんの命を奪った奴の事を心の底から恨んだ。
「一閃くん、大樹さん···、待っててください。必ず、迎えに来ます。」
わたしはそう呟くと、次に先にボスたちが向かっている敵地本部へと応戦の為に急いで向かったのだった。
向かっている途中、その間にもおそらくマカベと戦うボスたちの声が聞こえてくる。
『ボスはトバリを追ってください!ここは、わたしと綱海で片付けます!』
そう言う堕璃さんの声が聞こえ、堕璃さんがボスたちと合流出来た事を知る。
しかし、マカベは黒人並みの体格にかなりの怪力武闘派だ。
堕璃さんと綱海さん二人で太刀打ち出来るのか、わたしは不安になってしまった。
「夏菜、急ぐぞ。」
走りながら、寿砂がそう言う。
わたしは「うん。」と頷き、少しでも早く堕璃さんと綱海さんの力になれるように寿砂と全力で地下通路を走り抜けた。