贄と呼ばれた少女の、幸せ
「止めてくる。ネビュラとあと誰かつれていくよ。この子、ちょっと預かってて」
「当然身柄を預かる。……気をつけろ、思い切った手に出たくらいだ。事態は考えられる以上に逼迫しているかもしれない」
「任せろよ」
ヒースクリフはジルベルトとの会話を切り上げると、少女の背中をなだめるように擦りながら、少女の瞳を真正面から見つめて力強く言い切った。
「教えてくれてありがとう。俺が止めてくる。任せて、俺は金剛石四つ星の冒険者なんだ。ぜったいに何とかする。だから信じて、ここで待ってて」
少女はぼろぼろと涙をこぼしながら何度も頷く。事態はようやっと、少女の手を離れて動き始めた。