贄と呼ばれた少女の、幸せ


 §


 少女の待つ部屋に、たくさんの荷物を抱えたヒースクリフが戻ってきた。

「ジルさんが食べ物とか色々持たせてくれたよ。さあ、行こうか!」

 ヒースクリフが少女に手を差し伸べる。

「はい、立ってー、手を繋いでね。ジルさんにここから飛んでいいって許可もらってきたから」

 少女は言われるまま差し出された手を取り立ち上がって、首を傾げた。

「とんで……ですか?」

「うん、俺の家本当に辺鄙なところにあるから、俺かネビュラの転移じゃないと入れないんだよね。くらっとくるかもしれないから目を閉じてて」

「は、はい……っ」

 ヒースクリフが何を言っているのかよくわからなかったが、少女はとりあえず理解できた『目を閉じる』に従った。

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