贄と呼ばれた少女の、幸せ
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少女の待つ部屋に、たくさんの荷物を抱えたヒースクリフが戻ってきた。
「ジルさんが食べ物とか色々持たせてくれたよ。さあ、行こうか!」
ヒースクリフが少女に手を差し伸べる。
「はい、立ってー、手を繋いでね。ジルさんにここから飛んでいいって許可もらってきたから」
少女は言われるまま差し出された手を取り立ち上がって、首を傾げた。
「とんで……ですか?」
「うん、俺の家本当に辺鄙なところにあるから、俺かネビュラの転移じゃないと入れないんだよね。くらっとくるかもしれないから目を閉じてて」
「は、はい……っ」
ヒースクリフが何を言っているのかよくわからなかったが、少女はとりあえず理解できた『目を閉じる』に従った。