佐倉くん、好きじゃないのにその気にしないで
そんな私をお構いなしに、佐倉くんは呟いた。
「……嘘だ。なんか、ある顔してるよ。ミノヤマさん?」

妙に、「愛山さん」が、色っぽく聞こえた。
「うぁ……っ、う、ううん、なんで、も……」
「なくはないでしょ?話して」

佐倉くんの声に遮られた私の声。
……うーん……。

「本当に、たいしたことないんだけど……その、さっき、か、かわ……ぃぃって、言ってくれたでしょ」
「うん、かわいいからね」

さらっと発言した佐倉くんに、嬉しいのと同時に……また、胸が痛んだ。
「その、それで……サラッと言うから……その、あ、言い慣れてるのかと、思って、悲しく、なっちゃって……」

言ってて、自分の勝手さに泣きたくなる。
< 22 / 74 >

この作品をシェア

pagetop