佐倉くん、好きじゃないのにその気にしないで
「ぶにゃぁぁあ」
目を凝らして木を見ていると、鳴き声が聞こえた。
こ、この鳴き声……猫?
上らへんからした猫の鳴き声。
周りを見渡したが、猫はいない。
その時、私の中で一つの考えが思い浮かぶ。
もしかしたら……木の上に、木から降りられなくなった猫がいる?
この人は、その猫を……おろしてあげようとしてるのかな。
「……っと……よし、大丈夫だよ」
……っ。
なんか……変な気持ちだな……。
男の人の優しい声色に、なぜかドキンと胸がなる。
男の人は猫を抱き抱えると、木からバランスを崩し落ちてしまう。
どっしーんと、重たい響きが周りに響く。
……っ!
「だ、大丈夫……っ」