呪われた聖女は運命を覆したい
「はい、存じております。ですが、私は聖女である身。神殿に残る義務がございます」
「うむ、それもわかっている。そなたは魔術塔と神殿、どちらで生活をしたい?」
まさかそんなことを聞かれるとは思わず、私は答えることができなかった。
神殿は私にとって悪夢のような場所。
聖女でありながら呪われた子だと疎まれる。
私に神殿での居場所は存在しない。
だったら、魔術塔に行く方がいいのかもしれない。
でも、少しだけやりたいこともある。
「1週間だけ、神殿に残らせてください。その後魔術塔へ移動してもよろしいでしょうか?」
皇帝陛下は少し驚いたように目を見開いた後、コクッと頷いてくれた。
私はホッとしてため息をついた。
それから、皇后陛下が言葉を発する。
「二つ目の要件は、アランから聞いた婚約のお話です。スペネット侯爵嬢からはなにもお聞きしておりませんが…。婚約の件は、どう思っているのですか?」
「正直に申し上げますが、私はアラン様と婚約する気はございません。今はただ、やるべきことに集中したいのです」
私は正直にそう言った。
今はキッパリ断れなくて曖昧になっているが、婚約する気など全くない。
あの悪夢をもう一度味わいたい者など存在しない。
そうして、私の言葉に皇后陛下はニッコリと笑ってみせた。
「そう。ならよかったわ。要件は以上よ。それじゃあ、また1週間後にお会いしましょう」
その言葉を待っていましたと言わんばかりに、殿下が素早く私の腕をつかんだ。
「で、殿下…!お待ちください…!!」
せめてしっかりと両陛下にご挨拶をと思ったが、それすら許してくれない強引さに呆れる。
そして、そんな私の心情を読み取ったのか皇后陛下が言った。
「ムクちゃんに乱暴しないのよー!」
「うるせぇ」
そう言って殿下は謁見室の扉を勢いよく閉めた。
私は閉められる直前に礼をしておいた。
それから、殿下に少しだけ声を荒げる。
「殿下…!少々無礼が過ぎるのでは?」
「いいんです。とにかく、ついてきてください」
私はムッとした。
なによ、聞く気なんて全くないじゃない…!
私はムスッとしたまま、殿下に連れられていく。
そうして来たのは、スペネット侯爵のお屋敷と同じくらいの大きさのお屋敷だった。
ここは皇宮からは少し離れていて、感覚的に門の前に結界が張られている。
いったいなんのためなのかしら…?
疑問に思ったが、尋ねることはできず殿下はお屋敷のドアを開けた。
途端、私たちに声がかかる。
「おかえりなさいませ、セア殿下。と…そちらのお方は第一聖書様ではございませぬか?」
私たちを出迎えるメイドのようだ。
白髪の髪は緩くふたつに結ばれ、桃色の瞳を輝かせており、とてもかわいらしい子だった。
だけど、その容姿に惹きつけられたわけではなく。
頭に生えている耳に目が惹きつけられたのだ。
「お、狼族…!?」
私は思わず声を上げてしまった。
狼族はコルド帝国に来た移民の一種だ。
コルド帝国にはたくさんの魔法使いも存在している。
そのため、このような強い移民種族を監視できる力があるため、普通に生活しているのだ。
しかしその数は少なく、見ることなど滅多にない。
そんな貴重な存在が目の前にいることに驚いてしまったのだ。
「はい、そうでございます。お初にお目にかかります、我が光なる聖女様。私はエンシミオ・ガラシアにございます。お会いできること、光栄に思います」
そう言って礼をしたエンシミオ。
それから、私も挨拶をする。
「ご機嫌よう。私はスペネット侯爵家の次女でありコルド帝国の第一聖女、ムク・マリーウット・スペネットよ」
「はい、存じ上げております。それよりセア殿下、よろしかったのですか?聖女様を屋敷にお招きして」
そう言ってチラッと殿下を見るエンシミオ。
すると、殿下はため息をついて言った。
「ああ、スペネット侯爵嬢は特別だからな。それより、準備をしろ」
エンシミオは意外そうに目を見開いて、コクッと頷いた。
「承知いたしました。では、しばらくの間客間でお待ちくださいませ」
「うむ、それもわかっている。そなたは魔術塔と神殿、どちらで生活をしたい?」
まさかそんなことを聞かれるとは思わず、私は答えることができなかった。
神殿は私にとって悪夢のような場所。
聖女でありながら呪われた子だと疎まれる。
私に神殿での居場所は存在しない。
だったら、魔術塔に行く方がいいのかもしれない。
でも、少しだけやりたいこともある。
「1週間だけ、神殿に残らせてください。その後魔術塔へ移動してもよろしいでしょうか?」
皇帝陛下は少し驚いたように目を見開いた後、コクッと頷いてくれた。
私はホッとしてため息をついた。
それから、皇后陛下が言葉を発する。
「二つ目の要件は、アランから聞いた婚約のお話です。スペネット侯爵嬢からはなにもお聞きしておりませんが…。婚約の件は、どう思っているのですか?」
「正直に申し上げますが、私はアラン様と婚約する気はございません。今はただ、やるべきことに集中したいのです」
私は正直にそう言った。
今はキッパリ断れなくて曖昧になっているが、婚約する気など全くない。
あの悪夢をもう一度味わいたい者など存在しない。
そうして、私の言葉に皇后陛下はニッコリと笑ってみせた。
「そう。ならよかったわ。要件は以上よ。それじゃあ、また1週間後にお会いしましょう」
その言葉を待っていましたと言わんばかりに、殿下が素早く私の腕をつかんだ。
「で、殿下…!お待ちください…!!」
せめてしっかりと両陛下にご挨拶をと思ったが、それすら許してくれない強引さに呆れる。
そして、そんな私の心情を読み取ったのか皇后陛下が言った。
「ムクちゃんに乱暴しないのよー!」
「うるせぇ」
そう言って殿下は謁見室の扉を勢いよく閉めた。
私は閉められる直前に礼をしておいた。
それから、殿下に少しだけ声を荒げる。
「殿下…!少々無礼が過ぎるのでは?」
「いいんです。とにかく、ついてきてください」
私はムッとした。
なによ、聞く気なんて全くないじゃない…!
私はムスッとしたまま、殿下に連れられていく。
そうして来たのは、スペネット侯爵のお屋敷と同じくらいの大きさのお屋敷だった。
ここは皇宮からは少し離れていて、感覚的に門の前に結界が張られている。
いったいなんのためなのかしら…?
疑問に思ったが、尋ねることはできず殿下はお屋敷のドアを開けた。
途端、私たちに声がかかる。
「おかえりなさいませ、セア殿下。と…そちらのお方は第一聖書様ではございませぬか?」
私たちを出迎えるメイドのようだ。
白髪の髪は緩くふたつに結ばれ、桃色の瞳を輝かせており、とてもかわいらしい子だった。
だけど、その容姿に惹きつけられたわけではなく。
頭に生えている耳に目が惹きつけられたのだ。
「お、狼族…!?」
私は思わず声を上げてしまった。
狼族はコルド帝国に来た移民の一種だ。
コルド帝国にはたくさんの魔法使いも存在している。
そのため、このような強い移民種族を監視できる力があるため、普通に生活しているのだ。
しかしその数は少なく、見ることなど滅多にない。
そんな貴重な存在が目の前にいることに驚いてしまったのだ。
「はい、そうでございます。お初にお目にかかります、我が光なる聖女様。私はエンシミオ・ガラシアにございます。お会いできること、光栄に思います」
そう言って礼をしたエンシミオ。
それから、私も挨拶をする。
「ご機嫌よう。私はスペネット侯爵家の次女でありコルド帝国の第一聖女、ムク・マリーウット・スペネットよ」
「はい、存じ上げております。それよりセア殿下、よろしかったのですか?聖女様を屋敷にお招きして」
そう言ってチラッと殿下を見るエンシミオ。
すると、殿下はため息をついて言った。
「ああ、スペネット侯爵嬢は特別だからな。それより、準備をしろ」
エンシミオは意外そうに目を見開いて、コクッと頷いた。
「承知いたしました。では、しばらくの間客間でお待ちくださいませ」