呪われた聖女は運命を覆したい
「信じるに値すると思うわ」
私の第一声はそれだった。
皇族としての意識が高く、民を助けようとする見本のような王子。
『そうですね、私もそう考えます。では、手短にお話しさせていただきますね』
今のは体感1分くらいだったと思うが、あまり長くいては不思議に思われる。
だから、手短に。
『まず、我々は彼に疑われおります。その疑いを晴らすため、タロットカードの存在を明かすべきかと。もちろん、主人様が過去から来たことは言う必要がありません。どうでしょう?後ろで私も手助けをしますので、その作戦でいきませんか?』
アミューズの言うことはわかる。
殿下のことは味方につけておきたい。
だから、ここで疑いは晴らしておきたい。
頷く以外の選択などなかった。
「ええ、それでいきましょう」
私はそう言った後、ドアを開けた。
アミューズはもう隠れる必要がないと判断したのか、普通に私の後ろに立っている。
「では、戻りましょうか」
そう言ったエンシミオに頷く。
特に疑われている様子はなく、ホッとする。
と、その時突然エンシミオが喋った。
「聖女様は、セア殿下になにをお望みなのですか?」
望み?
少し変わったことを聞くな、と思った。
そして少し考え込む。
望み…私が殿下にしてほしいこと…。
「復讐の仲間かもしれないわ」
エンシミオは驚くとともに、弾かれたように振り返った。
その表情はどこか期待に満ちていた。
「復讐のお相手は?」
私は少しだだけ周囲を見回した。
誰かに聞かれては困ることだったから。
しかし、周りには嘘のように誰もいなかった。
「アラン様とサニアよ」
すると、エンシミオはああ…とでも言いたげな顔をした。
「セア殿下の兄君アラン・フローレンス・イリュシア第三王子殿下様と、コルド帝国第三聖女のサニア・クラスオン・シャローム様ですね。サニア様…あんなの、相手するだけ無駄ですよ」
サニアの素顔を知っていることに驚いた。
サニアはよく慕われている聖女で、表向きは完璧なのだ。
だからこそ私も騙されてしまったのだけれど。
「どうやってサニアの素顔を知ったの?」
「…随分前のことにはなりますが、サニア様が聖女様方の悪口を言っているのを聞いてしまったので。私は狼族ですから、耳がいいんです」
そうことね、と心の中で納得した。
サニアもつめが甘いわね。
そう話しているうちに、客間へと戻ってきた。
そこでエンシミオは足を止めて言った。
「どうか、セア殿下とともにアラン殿下の悪事を止めてくださいませ」
私は大きく目を見開いた。
エンシミオの声が震えていたから。
『ひとまず信頼されたようでよかったですね』
アミューズの言葉に、頷くことができない気がした。
なんだか信頼とは違う気がする。
もっとなにか大きなものが——。
「セア殿下、戻ってまいりました」
その言葉にハッとする。
そうして、エンシミオは扉を開いて私を部屋の中へと促した。
先程の考えはおいておいて、私は言った。
「殿下、今から私が話すことを信じてくださいますか?」
信じると決めたから、その分相手にも信じていただかないといけない。
殿下は少しだけ首を傾げた後、頷いた。
「ああ、もちろんだ。エンシミオは席を外して——」
「いいえ。一緒で構いません」
殿下の言葉を遮って言った。
そして、最初に座っていた位置に座る。
「では、失礼致します」
エンシミオが殿下の横に立った後、私は単刀直入に言った。
私の第一声はそれだった。
皇族としての意識が高く、民を助けようとする見本のような王子。
『そうですね、私もそう考えます。では、手短にお話しさせていただきますね』
今のは体感1分くらいだったと思うが、あまり長くいては不思議に思われる。
だから、手短に。
『まず、我々は彼に疑われおります。その疑いを晴らすため、タロットカードの存在を明かすべきかと。もちろん、主人様が過去から来たことは言う必要がありません。どうでしょう?後ろで私も手助けをしますので、その作戦でいきませんか?』
アミューズの言うことはわかる。
殿下のことは味方につけておきたい。
だから、ここで疑いは晴らしておきたい。
頷く以外の選択などなかった。
「ええ、それでいきましょう」
私はそう言った後、ドアを開けた。
アミューズはもう隠れる必要がないと判断したのか、普通に私の後ろに立っている。
「では、戻りましょうか」
そう言ったエンシミオに頷く。
特に疑われている様子はなく、ホッとする。
と、その時突然エンシミオが喋った。
「聖女様は、セア殿下になにをお望みなのですか?」
望み?
少し変わったことを聞くな、と思った。
そして少し考え込む。
望み…私が殿下にしてほしいこと…。
「復讐の仲間かもしれないわ」
エンシミオは驚くとともに、弾かれたように振り返った。
その表情はどこか期待に満ちていた。
「復讐のお相手は?」
私は少しだだけ周囲を見回した。
誰かに聞かれては困ることだったから。
しかし、周りには嘘のように誰もいなかった。
「アラン様とサニアよ」
すると、エンシミオはああ…とでも言いたげな顔をした。
「セア殿下の兄君アラン・フローレンス・イリュシア第三王子殿下様と、コルド帝国第三聖女のサニア・クラスオン・シャローム様ですね。サニア様…あんなの、相手するだけ無駄ですよ」
サニアの素顔を知っていることに驚いた。
サニアはよく慕われている聖女で、表向きは完璧なのだ。
だからこそ私も騙されてしまったのだけれど。
「どうやってサニアの素顔を知ったの?」
「…随分前のことにはなりますが、サニア様が聖女様方の悪口を言っているのを聞いてしまったので。私は狼族ですから、耳がいいんです」
そうことね、と心の中で納得した。
サニアもつめが甘いわね。
そう話しているうちに、客間へと戻ってきた。
そこでエンシミオは足を止めて言った。
「どうか、セア殿下とともにアラン殿下の悪事を止めてくださいませ」
私は大きく目を見開いた。
エンシミオの声が震えていたから。
『ひとまず信頼されたようでよかったですね』
アミューズの言葉に、頷くことができない気がした。
なんだか信頼とは違う気がする。
もっとなにか大きなものが——。
「セア殿下、戻ってまいりました」
その言葉にハッとする。
そうして、エンシミオは扉を開いて私を部屋の中へと促した。
先程の考えはおいておいて、私は言った。
「殿下、今から私が話すことを信じてくださいますか?」
信じると決めたから、その分相手にも信じていただかないといけない。
殿下は少しだけ首を傾げた後、頷いた。
「ああ、もちろんだ。エンシミオは席を外して——」
「いいえ。一緒で構いません」
殿下の言葉を遮って言った。
そして、最初に座っていた位置に座る。
「では、失礼致します」
エンシミオが殿下の横に立った後、私は単刀直入に言った。