呪われた聖女は運命を覆したい
復讐を
「殺される予定…だった?」
アミューズは一瞬、ひどく悲しい顔をした。
でもそれは本当に一瞬で、すぐに表情を戻して聞いてきた。
「だから、主様は逃げていたのですか?あの男から」
「そう…ね。今までずっと逃げる気なんて起きなかった。だって、全て希望を失ったのよ?生きる意味なんてないって…」
私は下唇を噛んだ。
毎日地獄のような日々だった。
聖女の仕事をするたびに悪口を言われ、学園ではいじめられ、帰ったら実験、それにサニアの遊び相手。
体だけでなく、心もボロボロだった。
「でもあの日アラン様に言われたの。《君は失敗作だ。だから、最後の手段を取る。君の魔石を取り除く》って。ねえ、アミューズはこの意味がわかる?」
「…はい。もちろん。魔石は聖女の体に埋まっている石で、聖女に力を与えているもの。第二の心臓と呼ばれている。そしてその理由は——取り除けば必ず心臓が止まる仕組みになっているから」
「そうよ。だから、あのままなら私は死ぬはずだった」
意味をわかっていてもなお、私はなにも感じずただ死ぬ時を待っていた。
けれど魔石を取り除かれる瞬間、まだ死にたくないと思った。
このままでいいの?
ずっとこいつらの思う壺でいいの?
いいわけないじゃない。
アラン様の悪事を暴いてやらないと。
サニアに同じ地獄を見せないと。
——気が済まない。
「自分の中に強い復讐心があった。それと、聖女としてみんなを守る信念がね。それが私を助けてくれた。そして、私は過去に戻りたいと強く願った」
「なるほど。主様のことがよくわかりました。お話ししてくださり、ありがとうございます」
深々と頭を下げるものだから、びっくりしてしまう。
それから頭をあげて。
「主様はアランの罪を暴き、サニアに復讐はしたいと。ならば、私もお手伝いしましょう」
「え?で、でも…いいのかしら…」
私には“復讐する”ということに少し抵抗があった。
たしかにあのふたりのことは許せない。
でも、聖女は誰かを幸せにするために生まれてきたもの。
この力を復讐に利用するなんて——。
「いいんですよ」
私は反射的に顔をあげた。
「主様は立派な方ですね。そして、とても優しい方だ。けれど、それだけでは生きていけないことを身をもって知ったことでしょう」
私はハッとした。
そうだ、アミューズの言う通りだ。
ルールにのっとるだけの生活では、あの日々のように地獄へと落ちていくだけ。
だったら、動かないと。
「それに、それは主様のためだけでなく国民にも良い影響をもたらすでしょう。ですから、私たちが動くのです」
もうすでに、アミューズの瞳には決意が宿っていた。
私も、覚悟を決めなくれば。
一度深呼吸をして、アミューズに向き直った。
「ええ、そうね。必ずやり遂げてみせるわ!」
私はそう言ってアミューズの手を握った。
すると、さっきとは違うとても優しい表情を見せてくれた。
そして、アミューズは立ち上がっていった。
「そうと決まれば早速作戦会議です。明日…というか、もう今日ですね。主様、今日がなんの日かおわかりですか?」
時計を見れば、すでに0時を回っている。
たしかここに来る前、アミューズが13歳の誕生日の日に戻すと言っていた。
13歳の誕生日にやることは決まっている。
「青き血調査の日だわ。そして、私がアラン様に目をつけられてしまった日」
「左様でございます。ですから、私に作戦があるのです。聞いてはいただけませんか?」
ニッコリと笑ったアミューズに、私は大きく頷いた。
ここから、私たちの復讐の物語は始まる。
アミューズは一瞬、ひどく悲しい顔をした。
でもそれは本当に一瞬で、すぐに表情を戻して聞いてきた。
「だから、主様は逃げていたのですか?あの男から」
「そう…ね。今までずっと逃げる気なんて起きなかった。だって、全て希望を失ったのよ?生きる意味なんてないって…」
私は下唇を噛んだ。
毎日地獄のような日々だった。
聖女の仕事をするたびに悪口を言われ、学園ではいじめられ、帰ったら実験、それにサニアの遊び相手。
体だけでなく、心もボロボロだった。
「でもあの日アラン様に言われたの。《君は失敗作だ。だから、最後の手段を取る。君の魔石を取り除く》って。ねえ、アミューズはこの意味がわかる?」
「…はい。もちろん。魔石は聖女の体に埋まっている石で、聖女に力を与えているもの。第二の心臓と呼ばれている。そしてその理由は——取り除けば必ず心臓が止まる仕組みになっているから」
「そうよ。だから、あのままなら私は死ぬはずだった」
意味をわかっていてもなお、私はなにも感じずただ死ぬ時を待っていた。
けれど魔石を取り除かれる瞬間、まだ死にたくないと思った。
このままでいいの?
ずっとこいつらの思う壺でいいの?
いいわけないじゃない。
アラン様の悪事を暴いてやらないと。
サニアに同じ地獄を見せないと。
——気が済まない。
「自分の中に強い復讐心があった。それと、聖女としてみんなを守る信念がね。それが私を助けてくれた。そして、私は過去に戻りたいと強く願った」
「なるほど。主様のことがよくわかりました。お話ししてくださり、ありがとうございます」
深々と頭を下げるものだから、びっくりしてしまう。
それから頭をあげて。
「主様はアランの罪を暴き、サニアに復讐はしたいと。ならば、私もお手伝いしましょう」
「え?で、でも…いいのかしら…」
私には“復讐する”ということに少し抵抗があった。
たしかにあのふたりのことは許せない。
でも、聖女は誰かを幸せにするために生まれてきたもの。
この力を復讐に利用するなんて——。
「いいんですよ」
私は反射的に顔をあげた。
「主様は立派な方ですね。そして、とても優しい方だ。けれど、それだけでは生きていけないことを身をもって知ったことでしょう」
私はハッとした。
そうだ、アミューズの言う通りだ。
ルールにのっとるだけの生活では、あの日々のように地獄へと落ちていくだけ。
だったら、動かないと。
「それに、それは主様のためだけでなく国民にも良い影響をもたらすでしょう。ですから、私たちが動くのです」
もうすでに、アミューズの瞳には決意が宿っていた。
私も、覚悟を決めなくれば。
一度深呼吸をして、アミューズに向き直った。
「ええ、そうね。必ずやり遂げてみせるわ!」
私はそう言ってアミューズの手を握った。
すると、さっきとは違うとても優しい表情を見せてくれた。
そして、アミューズは立ち上がっていった。
「そうと決まれば早速作戦会議です。明日…というか、もう今日ですね。主様、今日がなんの日かおわかりですか?」
時計を見れば、すでに0時を回っている。
たしかここに来る前、アミューズが13歳の誕生日の日に戻すと言っていた。
13歳の誕生日にやることは決まっている。
「青き血調査の日だわ。そして、私がアラン様に目をつけられてしまった日」
「左様でございます。ですから、私に作戦があるのです。聞いてはいただけませんか?」
ニッコリと笑ったアミューズに、私は大きく頷いた。
ここから、私たちの復讐の物語は始まる。