雪音だけのライブハウス
ところが、ある日のライブ中、

愛祈琉(あいる)
(音の色が…苦しい…!)

ステージに立つと、逆光で観客席がほとんど見えない。

そのおかげで、緊張しいの私でも人前に立てているが、私には見えてしまう。

観客1人1人の”視線や表情の音”から、私に向ける”感情のイメージ画像”が。

観客が50人、100人と増えるにつれて、応援だけでない負の色も増えてくる。

嫉妬、奇異の目、声や曲への嫌悪感、そして、

性的な目。

愛祈琉(あいる)
(やめて…!その音…もう見たくない…!)

人前に立つ以上、いろいろな感情を向けられることからは逃げられない。

それなのに、私の神経は繊細すぎて、突き刺さる負の色の感情に耐えられなかった。



愛祈琉(あいる)
(お願い…!私の身体…倒れないで…!せめてこのライブが終わるまで…!)

私は何とか笑顔を作り、いつも通りのライブを進めた。

来てくれたお客さんから感動の音が見えた。

なのに、表面を取り繕った姿しか見せられないことが余計に苦しかった。
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