ただ君を愛したいだけ
プロローグ
「なあ、瑞葉(みずは)。いつか俺たちの子供が生まれたら、一軒家を買って庭にブランコ置いて、一緒に遊んでやりたいんだけど、どうかな?」
「お庭なんて贅沢ね」
日曜の昼下がり。
ふたり並んでソファに腰かけてコーヒーを飲みながら言葉を交わす。
都心にある三十八階の部屋の窓の向こうには、紅霞(こうか)に埋もれゆく東京のビルが見える。
ときには群青色の空にまるで呼吸をしているかのごとく星々が瞬き、ときにはネオンが消えかけた街に朝日が差し込み……。
せわしない日常の中で、そうした光景をふたりで見られることの幸せを味わい、微笑み合った。
彼とふたりなら、なにをしていても楽しかった。
互いの呼吸音だけが響く部屋で、肩を寄せ合っているだけでも。
ところが……三日前。
彼からの結婚の申し入れを承諾した瞬間から、欲張りになった。
もっと、もっと幸せが欲しい。
素敵な景色気を見て感動を分かち合い、おいしいものに舌鼓を打ち、顔をくしゃくしゃにして笑う。
「お庭なんて贅沢ね」
日曜の昼下がり。
ふたり並んでソファに腰かけてコーヒーを飲みながら言葉を交わす。
都心にある三十八階の部屋の窓の向こうには、紅霞(こうか)に埋もれゆく東京のビルが見える。
ときには群青色の空にまるで呼吸をしているかのごとく星々が瞬き、ときにはネオンが消えかけた街に朝日が差し込み……。
せわしない日常の中で、そうした光景をふたりで見られることの幸せを味わい、微笑み合った。
彼とふたりなら、なにをしていても楽しかった。
互いの呼吸音だけが響く部屋で、肩を寄せ合っているだけでも。
ところが……三日前。
彼からの結婚の申し入れを承諾した瞬間から、欲張りになった。
もっと、もっと幸せが欲しい。
素敵な景色気を見て感動を分かち合い、おいしいものに舌鼓を打ち、顔をくしゃくしゃにして笑う。
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