ただ君を愛したいだけ
しかしそれだけでは残してしまうため、大好きなチーズをたっぷり入れるようにしたら、『ちーじゅおむれつは?』とせがむまでになった。

チーズを足しただけなのに子供ってよくわからないと思いつつも、かわいいなと微笑ましく見ている。


「それじゃあ、早く帰ろうね」
「うん。いちご、いちご!」


大通りの交差点に差しかかり、興奮気味の陽菜と一緒に信号待ちをしていると、すさまじいエンジン音が聞こえてきて目をやる。


「危ない!」


こちらに向かってくる白い車に驚き、とっさに陽菜を突き飛ばした。

次の瞬間、ゴンという鈍い音とともに体に痛みが走り、手に提げていた買い物袋が道路に落ちて中身が散らばる。


「誰か救急車!」
「早くしろ!」


途端にざわつきだした周辺と、なにが起きたのか理解できない私。

ただ、脚がひどく痛み、顔がゆがんだ。


「話せますか? どこが痛い?」


背の高い男性がいち早く私のもとに駆け寄り、尋ねた。

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