月が青く染まる夜に
意味を理解して、視線が合った。
黄色信号が、ゆっくり青に近づくみたいに。
ちくわが一瞬よそ見をした、その隙。
そっと距離が縮まる。
キスは、思ったより静かだった。
触れるだけ。でも、体温が一気に上がる。
迅和くんがリモコンに手を伸ばし、テレビを消した。
テレビの光が消えた瞬間、部屋の輪郭がやわらかくなる。
さっきまで背景だった壁も、テーブルも、急に遠い。
目の前にいる人だけが、やけに鮮明だった。
もう一度、唇が触れる。
今度は、確かめるみたいにゆっくり。
離れる気配がなくて、呼吸が少しだけ混ざる。
胸の奥がじわじわと熱を持つ。
私の身体が少しずつソファに沈んでゆく。
逃げようと思えば逃げられる距離なのに、逃げない。
むしろ、自分から少し近づいてみた。
その動きに、迅和くんの指先が止まる。
…急がない。
確かめるように、真剣な目で私を見る。
その視線が、余計に鼓動を速くする。
本当にいいのかと、問いかけてくる視線。
いや、問いかけというより、確認。
私は一瞬だけ息を整えてから、うなずいた。
言葉にしなくても伝わる距離。
背中に回された手には、さっきよりも迷いがなくなる。
触れられている場所から、静かに熱が広がってゆく。
肩先、背中、指先、全部、ちゃんと分かるのに、不思議と怖くない。
ちくわの監視も、今は頭の端に追いやられている。
黄色信号が、ゆっくり青に近づくみたいに。
ちくわが一瞬よそ見をした、その隙。
そっと距離が縮まる。
キスは、思ったより静かだった。
触れるだけ。でも、体温が一気に上がる。
迅和くんがリモコンに手を伸ばし、テレビを消した。
テレビの光が消えた瞬間、部屋の輪郭がやわらかくなる。
さっきまで背景だった壁も、テーブルも、急に遠い。
目の前にいる人だけが、やけに鮮明だった。
もう一度、唇が触れる。
今度は、確かめるみたいにゆっくり。
離れる気配がなくて、呼吸が少しだけ混ざる。
胸の奥がじわじわと熱を持つ。
私の身体が少しずつソファに沈んでゆく。
逃げようと思えば逃げられる距離なのに、逃げない。
むしろ、自分から少し近づいてみた。
その動きに、迅和くんの指先が止まる。
…急がない。
確かめるように、真剣な目で私を見る。
その視線が、余計に鼓動を速くする。
本当にいいのかと、問いかけてくる視線。
いや、問いかけというより、確認。
私は一瞬だけ息を整えてから、うなずいた。
言葉にしなくても伝わる距離。
背中に回された手には、さっきよりも迷いがなくなる。
触れられている場所から、静かに熱が広がってゆく。
肩先、背中、指先、全部、ちゃんと分かるのに、不思議と怖くない。
ちくわの監視も、今は頭の端に追いやられている。