花屋のガーデニング委員会!
5.いざ、初めてのガーデニング!
昨日、空くんが見せてくれた箱を取り出す。だけど、たくさんの種を前にピタリと止まった。勢いよく飛び出したはいいけど、ガーデニングって何からすればいいの?
「こんなことなら図書室から本を借りればよかった……あ!」
押し入れの上段に、たくさんの本が並んでいる。それは「園芸」に関する月刊誌。パラパラとめくると、一月から十二月、この月にどんなガーデニングをすればいいか分かりやすく書かれていた。
「あ、四月号に〝ガーデニングを始める人へ〟って特集がある!」
これを読めば何とかなるかも! 本を参考に、ガーデニングに必要な物を集める。まず倉庫へ行って私の腰まである大きなシャベルをとる。同時に肥料を見つけた。二キロと書かれている袋が、いくつも積み重なっている。
「これってどう使うの? 土と混ぜるとか?」
パラパラと、ここでも雑誌の力をかりる。
「〝まずは土を耕して、土と肥料を混ぜ合わせる〟……やった、合ってた!」
自分の予想が正解すると嬉しい。あれだけガーデニングを遠巻きにしていたのに、いま私ワクワクしている!
「さーて、頑張りますか!」
花が咲いた時の花壇の土は、フカフカでクッションみたいだった。その土が、今じゃガチガチに固まっている。まるで乾燥させた紙粘土だ。シャベルの先端を土へ差し込み、思い切り踏んで体重をかける。すると奥の土まで掘り返すことが出来るのだけど……この作業、かなり重労働だ!
「ひ~、腰が痛くなってきた!」
そう言えばおじいちゃんも、たまにおばあちゃんにヘルプを頼んでいたなぁ。おばあちゃんは「仕方ないねぇ」って、渋々掘っていたっけ。
「ふふ。ガーデニングしていると、二人を思い出すから嬉しいなぁ」
楽しい思い出を糧に、円形の花壇の土を全て掘り返す。だけど、これで終わりじゃない。次は肥料と土を混ぜる作業だ!
「重いシャベルでかき混ぜないといけないから、これもこれで大変だ……」
そうかと言って、小さなスコップでやっていたら何日経っても終わらない。だから、いくら大変でもシャベルでやってみせる。この作業に空くんの命がかかってるんだから!
「よし!」
気合をいれて、シャベルを持つ手に力を入れる。何度も何度も同じ作業を繰り返し、ひたすら土と肥料を混ぜた。
――何分経ったか分からない。途中でお母さんが帰ってきたことも分からなかったし、夕日が沈んで空が真っ暗になっていたことにも気づかず土を混ぜていた。だけど集中したおかげで作業は進んだ。ついに花壇の土を全てほぐし終えた!
「お、終わったぁ~……」
カランと、手からシャベルが滑り落ちる。腰が限界を迎え、たまらず花壇の真ん中にあるイスへ転げながら座る。
「はは、手がプルプルしてる……」
もうシャベルを離しているのに、シャベルを握ったままの形から指が戻らない。まるでノリで固めているみたいだ。
「おじいちゃん、ガーデニングって〝キレイ〟だけじゃないんだね」
この苦労を、おじいちゃんはずっと続けていたんだ。すごいや。ふぅーと息を吐きながら、真っ暗な空を見上げる。そこにはキラリと光る一番星が輝いていた。
「わぁ、星ってあんなに光るんだ」
夜空を見上げるなんて、いつぶりだろう。強い輝きを放つ星に目を奪われる。
「空って広いなぁ」
……あ。「空」と呟いてハッとする。そういえば空くんは⁉
急いで空くんの部屋の窓を見た。すると、
「え?」
空くんの部屋が明るい。あの電気は空くんがつけたの? それともお母さん?
「確かめなきゃ……空くん!」
まだ眠っているの? それとも起きたの? もしくは――!バクバクと鳴る心臓を押さえ、イスから腰を上げる。だけど疲労困憊の体は、急な動きに耐えられず、
「わ、わわぁ⁉」
ガクリと膝から崩れ落ちた。どんどん傾く景色が怖くて、咄嗟に目を閉じる。
その時だった。
「心春」
ギュッ
いつまで経っても衝撃が訪れない。あれ、私こけそうだったよね? 不思議に思って目を開けると、私を抱き寄せてほほ笑む空くんが目に写った。
「こんなことなら図書室から本を借りればよかった……あ!」
押し入れの上段に、たくさんの本が並んでいる。それは「園芸」に関する月刊誌。パラパラとめくると、一月から十二月、この月にどんなガーデニングをすればいいか分かりやすく書かれていた。
「あ、四月号に〝ガーデニングを始める人へ〟って特集がある!」
これを読めば何とかなるかも! 本を参考に、ガーデニングに必要な物を集める。まず倉庫へ行って私の腰まである大きなシャベルをとる。同時に肥料を見つけた。二キロと書かれている袋が、いくつも積み重なっている。
「これってどう使うの? 土と混ぜるとか?」
パラパラと、ここでも雑誌の力をかりる。
「〝まずは土を耕して、土と肥料を混ぜ合わせる〟……やった、合ってた!」
自分の予想が正解すると嬉しい。あれだけガーデニングを遠巻きにしていたのに、いま私ワクワクしている!
「さーて、頑張りますか!」
花が咲いた時の花壇の土は、フカフカでクッションみたいだった。その土が、今じゃガチガチに固まっている。まるで乾燥させた紙粘土だ。シャベルの先端を土へ差し込み、思い切り踏んで体重をかける。すると奥の土まで掘り返すことが出来るのだけど……この作業、かなり重労働だ!
「ひ~、腰が痛くなってきた!」
そう言えばおじいちゃんも、たまにおばあちゃんにヘルプを頼んでいたなぁ。おばあちゃんは「仕方ないねぇ」って、渋々掘っていたっけ。
「ふふ。ガーデニングしていると、二人を思い出すから嬉しいなぁ」
楽しい思い出を糧に、円形の花壇の土を全て掘り返す。だけど、これで終わりじゃない。次は肥料と土を混ぜる作業だ!
「重いシャベルでかき混ぜないといけないから、これもこれで大変だ……」
そうかと言って、小さなスコップでやっていたら何日経っても終わらない。だから、いくら大変でもシャベルでやってみせる。この作業に空くんの命がかかってるんだから!
「よし!」
気合をいれて、シャベルを持つ手に力を入れる。何度も何度も同じ作業を繰り返し、ひたすら土と肥料を混ぜた。
――何分経ったか分からない。途中でお母さんが帰ってきたことも分からなかったし、夕日が沈んで空が真っ暗になっていたことにも気づかず土を混ぜていた。だけど集中したおかげで作業は進んだ。ついに花壇の土を全てほぐし終えた!
「お、終わったぁ~……」
カランと、手からシャベルが滑り落ちる。腰が限界を迎え、たまらず花壇の真ん中にあるイスへ転げながら座る。
「はは、手がプルプルしてる……」
もうシャベルを離しているのに、シャベルを握ったままの形から指が戻らない。まるでノリで固めているみたいだ。
「おじいちゃん、ガーデニングって〝キレイ〟だけじゃないんだね」
この苦労を、おじいちゃんはずっと続けていたんだ。すごいや。ふぅーと息を吐きながら、真っ暗な空を見上げる。そこにはキラリと光る一番星が輝いていた。
「わぁ、星ってあんなに光るんだ」
夜空を見上げるなんて、いつぶりだろう。強い輝きを放つ星に目を奪われる。
「空って広いなぁ」
……あ。「空」と呟いてハッとする。そういえば空くんは⁉
急いで空くんの部屋の窓を見た。すると、
「え?」
空くんの部屋が明るい。あの電気は空くんがつけたの? それともお母さん?
「確かめなきゃ……空くん!」
まだ眠っているの? それとも起きたの? もしくは――!バクバクと鳴る心臓を押さえ、イスから腰を上げる。だけど疲労困憊の体は、急な動きに耐えられず、
「わ、わわぁ⁉」
ガクリと膝から崩れ落ちた。どんどん傾く景色が怖くて、咄嗟に目を閉じる。
その時だった。
「心春」
ギュッ
いつまで経っても衝撃が訪れない。あれ、私こけそうだったよね? 不思議に思って目を開けると、私を抱き寄せてほほ笑む空くんが目に写った。