あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
【愛を確信する時】
 「あらっ、瑠宇斗君、今日もいい男ね」
 「いらっしゃいませ、和子さん。そちらの方は?」
 「篤志(あつし)っていうのよ。私の甥っ子なの。出張の帰りに立ち寄ってくれたのよ。ここに連れてきたくてね!」
 「いつも叔母がお世話になっています」
 「こちらこそ。さぁ、どうぞ中へ」
 瑠宇斗が店内に案内し、登喜代に声を掛けた。
 「もしかして・・・篤志君?すっかり大人になったわねぇ」
 「ご無沙汰しています。ここに来た時は僕が大学4年でしたから」
 「早いわねぇ・・・それにこんなに立派になって・・・お父さんのお仕事を手伝ってるんでしょ?」
 「はい。毎日が勉強ですよ」
 「大変ね。でもいずれ会社を継ぐ日が来るんだから、頑張ってね!あっ、そうだ!瑞穂―!ちょっと来て!」
 2階にいた瑞穂が慌てて下りて来た。
 「何?そんな大きな声出して」
 「ほらっ、覚えてる?瑞穂が小学6年の夏休みに、宿題を教えてくれた篤志君」
 「・・・あ、あぁ、こんにちは・・・お久しぶりです」
 「瑞穂ちゃん?・・・素敵な女性になったね、びっくりしたよ」
 瑞穂は宿題を教えてもらっていたことは覚えているが、顔も名前も覚えていなかった。
 「どうぞ、座ってください」
 瑞穂が促すと、2人は椅子に腰掛けて、お団子を頼んだ。
 「もぉー、この子の両親が早く結婚して欲しいって言ってね。いい人紹介して欲しいからって、気立てのいい子を紹介したんだけど、知らない人は嫌だって言うのよ」
 「お見合いで彼女を見つけるのは嫌だと言ってるんだ」
 「じゃあ、知ってる人なら良いのね?・・・実はね、今日、帰るって言うからここに一緒に行こうって誘った時、ピン!ときてね。浮かんだのが瑞穂ちゃんなのよ!」
 「あのー・・・私が何でしょう?・・・」
 「篤志の父親は東京で弁護士法人の所長なの。そして篤志も勿論弁護士よ。瑞穂ちゃんも東京に戻って、事務員として働いたら就活しなくていいじゃない!家が遠いなら、社宅を借りたらいいわ!ねっ?一石二鳥でしょ?」
< 104 / 192 >

この作品をシェア

pagetop