あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 しばらくすると、ドアをノックする音が聞こえ、
 「瑞穂、開けてくれる?母さん1人だから・・・」
 と、優しい声が聞こえ、瑞穂はドアを開けた。
 「少しいい?色々教えて欲しいの。瑞穂がこんなにも綺麗になった理由を・・・」
 「・・・うん」
 瑞穂は涙を拭いてベッドに腰掛けると、敦実も隣に寄り添うように座った。
 「お母さん、ごめんなさい。今まで逃げてばかりいて・・・でも今回は逃げるんじゃないくて・・・凄く大切なの。あの場所も出会った人達も・・・」
 「分かってるわ。あなたが大好きなお父さんに反抗するんだもの」
 「それとね、大好きな人がいるの。瑠宇斗さんっていう人で凄く優しいの。いつも守ってくれて・・・それで・・・」
 「愛してるのね、瑠宇斗さんのこと」
 「うん・・・お付き合いしてたけど、私のためにって別れたの。でもやっぱり大好きで・・・そばにいたい・・・」
 「登喜代ばぁばから聞いていたわ。今日も電話が掛かって来たのよ。『瑠宇斗君ほど瑞穂を幸せに出来る人なんていないわよ!私が若かったら、直ぐに結婚してたわっ!』て」
 「えっ?登喜ばぁが?」
 「その後、『お父さん、ごめんなさい!』っておじいちゃんに謝ってたけどね」
 登喜代の姿が目に浮かんだ瑞穂は、笑いながら涙が溢れ、敦実はそっと背中を撫でた。
 「お父さんが話を進めちゃったのは瑞穂を心配してなの。お父さんの気持ちも分かってあげてね」
 「うん、それは分かってる。でも」
 「でも好きなのよね、瑠宇斗君のこと」
 瑞穂は瑠宇斗への思いが溢れ出し、言葉を出せずに頷いた。
 「分かったわ。でも、今のままじゃ、瑠宇斗君が悪者になっちゃうわよ。落ち着いてお父さんに話をしましょう」
 「でも・・・」
 「大丈夫。お母さんは瑞穂の味方だから。任せて」
 「うん・・・」
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