あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「あなた、瑞穂は自分の思いが真剣であることを伝えたいのよ。大切な人達の事を話す瑞穂を見たでしょ?出会った人達に恵まれて、たくさんの愛情を受けているのが分かるじゃない」
 徳次は愛する人の思いを語り、大人の女性として凜とした姿の瑞穂を見て、深呼吸をして心を落ち着かせた。
 「瑞穂・・・これは親としての役目だ。瑠宇斗君と話をしたい。それと、結婚したいというなら、瑠宇斗君がどんな人か知ってからだ」
 「瑠宇斗さんにはご両親がいないの。小さい頃に亡くなったから」
 「それは本当の話か?騙されていないのか?」
 「騙されてない!それは間違いないの」
 「・・・取りあえず、今週末に会いに行く。その時に身内の方と一緒に同席するようにしなさい。それが条件だ」
 「待って、そんな急に」
 「分かったな!もう、この話は終りだ」
 徳次はドアを開けて出て行った。
 「お母さん、瑠宇斗さんに会うだけでいいでしょ?急に身内の人まで会わなくても・・・それに先方の都合もあるじゃない」
 「瑞穂。急なのは分かっているわ。ただ、お父さんはあなたが心配なのよ。こればかりは、お母さんも同じ意見よ。結婚となれば、当人達だけの問題じゃなくなるから。明日、向こうに行くんでしょ?瑠宇斗君と話をしてみなさい」
 「・・・うん、分かった」

 自分の部屋に戻った瑞穂は、
 「瑠宇斗さんと結婚・・・急にドキドキしてきた・・・夢みたい・・・でも、瑠宇斗さんの身内って、癒怒之神様か緑運さん?・・・いやいやダメでしょ・・・というか、見えないし・・・百花さん?それもダメだ。もう面倒だーって余計なことをしゃべっちゃう気がする・・・はぁ・・・どうしよう・・・」
 瑠宇斗に会える嬉しさと不安が押し寄せながら、ときよ屋に戻るための荷物をまとめていた。
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