あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「そうか・・・まぁいい。人間界に入り込んでいるあやかしはたくさんいるが、あの方なら誰も文句のつけようがないだろう。それと戸籍も癒怒之神様が神々に了解を得て作り上げた。生まれた月日は、あやかし瑠宇斗が生まれた日だ。現在の住所は豪田さんの東京宅と同じになっている。それから・・・あとは豪田さんから送られてきたこの書類を呼んでおくんだぞ」
 「ありがとうございます・・・」
 「癒怒之神様はいつも仰っていた。瑠宇斗がいつか人間として生きたいと思う日が来たら、母親から奪ってしまった自分を許せるだろうと。神の領域で今も眠っている瑠宇斗の姿を見て、当初、母から引き離したことが良かったのかと悩んでいらっしゃったんだ・・・それは私も・・・」
 緑運は自分が懇願して瑠宇斗をあやかしにしたことを、本当に良かったのかと心の中で葛藤していたのだ。
 「俺は幸せです。偉大な癒怒之神様のもとで、信頼出来る緑運さんと母の思いを守れましたから」
 「そうか・・・いい結果が聞けることを待っているぞ」
 「はい、では失礼します」
 瑠宇斗は来た時と同じように瑞穂を連れてときよ屋へ戻り、登喜代に許可を得て2階へ上がった。

 「瑞穂」
 瑞穂が振り向くと、強引に腕を引き寄せ、抱きしめた。
 「会いたかった・・・抱きしめたかった・・・」
 「私も・・・瑠宇斗さんの温もりを感じたかった・・・」
 2人は見つめ合い静かに唇を重ねると、今まで抑えていた愛情を爆発させるように、舌を絡めてお互いを求めあった。翻弄される瑞穂が、あまりの激しさに高揚しすぎて崩れ落ちそうになるのを支えた瑠宇斗は、唇を離し、愛情の熱で潤む瞳で瑞穂を見つめた。
 「もう2度と離さない・・・」
 「私も・・・離れませんから・・・」
 「ご両親のことも必ず説得してみせる」
 「・・・すみません、急なことでご迷惑かけちゃって・・・」
 「早い方がいいさ。必ず・・・必ずご両親に認めてもらうよ」
 「はい・・・」
 瑞穂の頬に手をあて、そっと触れる唇は、すれ違っていた時間を埋め尽くすように、息が荒々しくなるほど貪り、濃厚に激しく求めあった。
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