あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 名刺を差し出すと、世界でも名が通る大手ゼネコン会社『信咲(のぶさき)HD』の取締役だった。
 日本屈指の会社の役員が叔父?ますます怪しいと、徳次は本当かどうか確かめずにはいられなかった。
 「あの、大変失礼ではありますが・・・お調べして宜しいですか?」
 「どうぞ、ホームページに載っていますから」
 徳次はスマホで検索すると、目の前の大柄な男が役員紹介で掲載されていた。
 驚きを隠せない徳次に、
 「信じていただけましたでしょうか?まだご不安でしたら、本社に1度お越しいただいてご案内しますが・・・それか今ここで、社長とテレビ通話しますか?」
 と、豪田はスマホを持ち、笑みを浮かべた。
 「い、いえ・・・そこまでは・・・失礼しました。でも、叔父さんがそれだけの方なら、瑠宇斗君はどうしてこんな所に?」
 「・・・ここだけの話にしていただけますか?」
 「勿論です」
 「実は・・・瑠宇斗には並外れた頭脳と身体能力があります。それを知られると国を揺らがす悪意に、瑠宇斗を利用する者が現れるかも知れません。ここなら、そんな事を心配することはない」
 「国をも揺らがす頭脳・・・?失礼ですが、信じがたいお話で・・・」
 「ではスマホで会話をさせてみましょう。瑠宇斗」
 豪田がスマホを出して、瑠宇斗に数カ国の主要言語で会話をさせると、瑞穂は目を丸くして驚いていた。
 「確かに凄いことだと思いますが、世の中には瑠宇斗君のように勉強して話せる人もいるので、国をも揺らがすまでは・・・」
 「では、1週間で今話した数カ国の言語を同じレベルまで話せる人がいたら、教えて欲しいですね」
 「そんなこと、あり得ない。1週間なら独学って言うことだよね?」
 「はい。留学なんてしなくても、1度目や耳にするだけで理解できます。勿論、今知らない言語も数日あれば完璧に出来ます」
 瑠宇斗は『本当はイギリス生活も無いですが・・・』と言いたいのを我慢した。
< 141 / 192 >

この作品をシェア

pagetop