あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「そんなこと出来るはず・・・」
 主要言語を流暢に完璧に話す瑠宇斗を見ても、数日で学ぶなんて有り得ないと、徳次はまだ半信半疑でいた。
 「ご説明しやすいように、主要言語を例えに出しましたが、あらゆるものも1度覚えたことは忘れず、難しい公式や図式も頭の中で組み立てることが出来るのです。それを新たな物へと考え出せるプログラムが頭脳に備わっている。善悪問わず、決して知られてはいけない力なのです。それに、身体能力が驚異的なのも、瑞穂ちゃんは良く知ってるよね?」
 「は、はい・・・」
 「信じていただけないと思いますが、これが事実です。でも1番の理由は、母親が大好きだったこの町を守りたい・・・それが彼の生きる意味だったからです。そこで最愛の瑞穂ちゃんに知り合った、ただの男です」
 「そういう事情でしたか・・・」
 「何かあれば、私が責任を持ちます。それだけをお伝えしたくて・・・あっ、申し訳ありません。折角日本に来るならと、本社に顔を出すように言われてまして。明日にはシンガポールなんですよ。何度も瑠宇斗に私と一緒に来るように言っているのですが・・・瑠宇斗、気が変わったらいつでもいいからな」
 「その話は、また後日に。ありがとうございます、強志さん」
 「また連絡するよ。では・・・どうか、瑠宇斗を宜しくお願いします。瑞穂ちゃん、また来るね」
 「はい、ありがとうございます、豪田さん」
 「瑠宇斗と同じように強志でいいよ。あっ、叔父さんは付けないでね。では、これで失礼します」
 深々と頭を下げたあと、立ち去った強志を見て、瑞穂は初めましての強志に親しみさを感じた。
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