あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
「緑運さん、俺の近所にいた勝爺みたいになってますよ・・・緑運さんのおかげで、俺はあやかしとして人の役に立ててますから感謝してます・・・が・・・」
「感謝してます・・・の後の『が』は何だ?」
あやかしになった頃から、ずっとそばにいてくれた緑運は、瑠宇斗にとっては子離れしていない親のような時がある。鬱陶しいようで、瑠宇斗にとっては、人間であった時を懐かしく思える瞬間でもあった。
「いえ・・・あっ、緑運さんの相手をしてる場合では・・・癒怒之神様に話があると言われてますので」
「まったく・・・まぁいい。私は山を見てくる」
「はい、お願いします」
瑠宇斗は決して人が近づけない山の中心部にある岩肌の前に着いた。
緑運はここから繋がる神の領域に入れるが、瑠宇斗は神使といえども、あやかしのためこれ以上は踏み込めない。
「癒怒之神様。参りました」
すると、目の前に癒怒之神が現れた。
「瑠宇斗、頼みがあるのだ。実は、人の邪気が私の領域まで及んできてな・・・水脈の力が弱まってきているのだ。見せてやろう。過去と今の私の領域を」
癒怒之神は、瑠宇斗の頭に手を当てた。
見えるのは、木々に囲まれた滝から美しい水が流れ落ち、透き通る泉には、満月のような神力の光が照らし輝いている。そして、妖艶に咲く桜の木や周りには、色とりどりの花が咲いていた。
ところが、ゆっくりと風景が変わりだした。滝の水流は少しずつ弱まり、泉から岩肌が見え始め、桜の木や花も朽ちかけていた。
「人の欲や悪意が急速に増え、浄化しきれないほど積み重なり、歪みを引き起こしたのだ。私の力をもっても、その歪みを浄化できなくなってきた」
初めて見る癒怒之神の姿だった。
「癒怒之神様のお力でも・・・そんなことが・・・」
「浄化しても、邪気が増す力の方が強くなり始めたのだ」
「他の神様にもお願いすれば・・・力が増して浄化出来るのでは?」
「ここまでくれば力を借りても、浄化するのにかなり時間がかかる。神々は自分の土地を守っている。守り神がいなくなれば、その土地は朽ちてしまうのだ。我々のために、犠牲には出来ない」
「それほどまでに邪気が・・・では、どうすれば・・・」
「感謝してます・・・の後の『が』は何だ?」
あやかしになった頃から、ずっとそばにいてくれた緑運は、瑠宇斗にとっては子離れしていない親のような時がある。鬱陶しいようで、瑠宇斗にとっては、人間であった時を懐かしく思える瞬間でもあった。
「いえ・・・あっ、緑運さんの相手をしてる場合では・・・癒怒之神様に話があると言われてますので」
「まったく・・・まぁいい。私は山を見てくる」
「はい、お願いします」
瑠宇斗は決して人が近づけない山の中心部にある岩肌の前に着いた。
緑運はここから繋がる神の領域に入れるが、瑠宇斗は神使といえども、あやかしのためこれ以上は踏み込めない。
「癒怒之神様。参りました」
すると、目の前に癒怒之神が現れた。
「瑠宇斗、頼みがあるのだ。実は、人の邪気が私の領域まで及んできてな・・・水脈の力が弱まってきているのだ。見せてやろう。過去と今の私の領域を」
癒怒之神は、瑠宇斗の頭に手を当てた。
見えるのは、木々に囲まれた滝から美しい水が流れ落ち、透き通る泉には、満月のような神力の光が照らし輝いている。そして、妖艶に咲く桜の木や周りには、色とりどりの花が咲いていた。
ところが、ゆっくりと風景が変わりだした。滝の水流は少しずつ弱まり、泉から岩肌が見え始め、桜の木や花も朽ちかけていた。
「人の欲や悪意が急速に増え、浄化しきれないほど積み重なり、歪みを引き起こしたのだ。私の力をもっても、その歪みを浄化できなくなってきた」
初めて見る癒怒之神の姿だった。
「癒怒之神様のお力でも・・・そんなことが・・・」
「浄化しても、邪気が増す力の方が強くなり始めたのだ」
「他の神様にもお願いすれば・・・力が増して浄化出来るのでは?」
「ここまでくれば力を借りても、浄化するのにかなり時間がかかる。神々は自分の土地を守っている。守り神がいなくなれば、その土地は朽ちてしまうのだ。我々のために、犠牲には出来ない」
「それほどまでに邪気が・・・では、どうすれば・・・」