あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「ねぇ、私の目を見て」
 「何を言ってる・・・んだ・・・」
 瑠宇斗は赤色になった色根の瞳を見ると、体中に熱が駆け巡り、逃げだそうとしても、体が色根を欲し始めて足が動かない。
 「この匂い・・・お前・・・まさか・・・香魅・・・か・・・」
 「あら・・・術をかけると出ちゃう匂いは消せなかったのね・・・覚えていてくれて嬉しいわ。でも・・・気づくのが遅かったようね・・・」
 香魅は上着を脱いで胸元までブラウスのボタンを外し、瑠宇斗の腰に手を回し胸を密着させた。妖力が効いてきた瑠宇斗は欲情が全身に回って体が熱くなり、理性を保つため目を背けた。
 「へぇ・・・やっぱり凄い・・・私の目を見て直ぐに手を出さないのは、あなただけ・・・フフッ・・・でも、その方が興奮するかも・・・待っていたわ、この時を」
 香魅が瑠宇斗の首の後ろに手を回した。
 「奥さん、可愛い人ね。ねぇ、妻を裏切る気分はどぉ?」
 瑠宇斗は香魅をベッドに押し倒したくなる手に力を入れて、ギリギリ抑えていた。
 「私を抱きたいのに理性でギリギリ保ってるのね。でも私がキスした瞬間から、あなたはもう私の虜よ。たっぷり楽しませてね、瑠宇斗」
 香魅が瑠宇斗の頬を手で覆うと、ゆっくりと顔を近づけて唇が触れそうになった時、
 「俺を・・・ナメるなよ」
 香魅を押して突き放すと、尻餅をついて倒れた。
 「ど、どうして?!」
 その時、ドンっ!と音がすると、ドアがなぎ倒された。
 「あぁあ、こりゃ弁償だな。瑠宇斗、無事か?」
 「・・・はい・・・何とか・・・」
 「どうしてよ・・・人間になったのに、どうして・・・」
 「お前の妖力より・・・俺の瑞穂への・・・愛の方が・・・大きいからだ」
 瑠宇斗の体は、瑞穂への思いでギリギリ理性を保っている状態で、香魅の妖力はまだ消えていなかった。
 「ふん、強がっても人間ね。その理性、いつまで保てるかしら」
 「瑠宇斗、特効薬を用意させている。もう少し頑張れ。貴様、許さんぞ!」
 強志が香魅の腕を掴んで立ち上がらせた。
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