あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「・・・神の命令?強志さん、矛盾してますよ。まったく、相変わらずだよ、俺の叔父さんは」
 強志を見上げてため息をつくと、立ち上がり膝の埃を手で払った。
 「瑠宇斗・・・お、お前の生意気さもな!俺に楯突けるのは、お前と瑞穂ちゃんと癒怒之神だけだ!」
 瑠宇斗に背を向けた強志は、嬉しそうに笑顔を見せていた。
 「あのー・・・いつものじゃれ合いは終わりましたか?」
 「瑞穂ちゃんは変わらずいい子だ!」
 瑞穂の頭を撫でると、その腕を瑠宇斗が握り、
 「例え家族同然であろうと神であろうと、瑞穂に馴れ馴れしく触れる事は許しませんよ」
 と、握っていた強志の手を離し、瑞穂を抱きしめた。
 「分かった、分かった。瑞穂ちゃんの事となったら、誰にもお前を止められない」
 「あのー・・・」
 「分かっていただけたなら、許しましょう」
 「あのーっ!灯樹さんが置いてけぼりになってます!」
 灯樹は、ずっと昔に見ていた、明るい強志を見て、驚いていた。
 「・・・あっ、すまない!灯樹」
 「いえ・・・楽しく過ごされているのですね・・・」
 「色々あったが・・・今は凄く幸せだ」
 「そうですか・・・噂では海外も飛び回っていると聞いていましたが、ずっとこちらに?」
 「いやいや、時々ここに来るが、いつも忙しくてあちこち飛び回っているよ。」
 「時々?頻繁に顔を見ているように思いますけど・・・」
 「そのおかげで瑠宇斗の浮気を防げただろ?俺が行かなかったら、瑞穂ちゃんに捨てられていたぞ!」
 「あの時は俺1人でも大丈夫でしたよ。俺は何があっても瑞穂を裏切らない」
 「あのー・・・」
 「はぁ?お前のために俺は慌てて向かって、ドアまで弁償したんだぞ!」
 「壊したのは、強志さんですから」
 「その分はきっちり働いてもらうぞ!」
 「あのーっ!また灯樹さんが置いてけぼりになってますってば!」
 頬を膨らませた瑞穂の一喝で、ようやく場は落ち着いた。
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