あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「はぁ・・・お父さんとお母さんに嘘ついて就職しなかったから、神様の逆鱗にふれたのかも・・・」
 瑞穂の心が折れかかった時、体を覆うほどの銀白色の光がふわりと暗闇に現れ、まるで生き物のように揺れ動き、アクアマリンのような光が2つ輝いたように見えた。
 「ギャーっ!!ご、ごめんなさーーいっ!」
 恐怖のあまり涙ぐんでしゃがみ込むと、銀白色の光が道のように延びていった。
 「こ、これは・・・どうしよう・・・シルバーロードの話は聞いてたけど、そんなの迷信だと思っていた。もしかして黄泉の国へ道案内されている・・・とか・・・」
 瑞穂が不思議な現象について行くか葛藤している間にも、光はどんどん先に進んでいる。
 「あっ、ま、待ってー!」
 すっかり日が落ちて、もう周りも見えなくなってきた。恐怖の中、散々道に迷った疲れから、思考能力も低下している。夢なら覚めて欲しいけど、このお腹の減り方は夢じゃない。
 ついて行くのも怖いけど、足元を照らし続けたスマホの充電切れも時間の問題だ。そうすれば真っ暗な中、朝までここを動けない。ここに1人残るのも怖かった。
 何処に進めばいいか分からない今、不思議な現象について行くしかない。
 勇気を振り絞り、光の後ろを辿るように歩き出し、しばらく進んで銀白色の光が伸びた先を見ると、電気が点いた家が建ち並んでいた。
 「良かった・・・町に出たんだ・・・」
 そして、ようやく道に出ると、光はスゥーと足元から引いていき、辿って来た道の方で一塊になるとモヤのように揺れていた。
 「山の神様―!ありがとうございます!私、今日、東京から来た『ときよ屋』の孫です!おばあちゃんをこれからも宜しくお願いしまーす!」
 瑞穂は、光の方に大きく手を振り、ときよ屋の方向に走り去った。
 「フッ・・・ときよ屋の孫か・・・面白い娘だ」
 不思議な銀白色の光は本来の姿に戻りながら、山奥に消えて行った。

 この出会いが・・・永遠の愛と変わりゆくことなど知らずに・・・
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