あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 それから30分ほどすると、さっき来た親子連れのお母さんが慌てた様子で中に入って来た。
 「すみません!うちの子供、来てませんか?」
 「いえ・・・お見かけしてませんけど」
 直ぐに血相を変えたお父さんも入って来て、首を左右に振っていた。
 「少し目を離した隙にいなくなって・・・もしかして1人で下りたのかと・・・」
 その言葉を聞いた瞬間、瑠宇斗が立ち上がり、飛び出して行った。
 「瑠宇斗さん!」
 瑞穂が追いかけて店を出た時には、瑠宇斗の姿はもう見えなかった。

 それから皆で少し辺りを捜したが見つからず、警察に連絡しようとした時・・・
 「ただいま」
 迷子になった男の子を片手に抱っこした瑠宇斗が入り口に立っていた。
 「ゆうくん!」
 「パパ!ママ!」
 瑠宇斗が男の子を下ろすと、両親の元へ駆け寄った
 泣きながら、抱きしめ合う親子を見て、瑠宇斗は微笑んだあと、瑞穂のそばに歩き出した。
 「俺はもう1度山に戻る。あとは頼んだぞ、瑞穂」
 「は、はい」
 瑠宇斗が店を出ようとした時、男の子は瑠宇斗の足元に駆け寄った。
 「お兄ちゃん!助けてくれてありがとう!」
 「あぁ。これからはお父さんとお母さんの言うことを聞くんだぞ。男と男の約束な」
 「うん」
 「よし、いい子だ」
 瑠宇斗は男の子をギュッと抱きしめたあと体を離し、優しく微笑み頭を撫でて振り向くと、鋭い目つきをして駆け出した。
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