あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 と、特別・・・それって・・・ん?ちょっと待って・・・もしかして・・・
 瑞穂は浮かれる前に深呼吸して、ゴホンッと咳払いしたあと、頭に過ぎったことを確認した。
 「えっと、それって、登喜ばぁも?」
 「あぁ、もちろんさ」
 やっぱり・・・瑞穂は項垂れて残念がっていた。
 「上を見るのが疲れたか?店に戻ろうか」
 天然ですか!?そう叫びたかった瑞穂だが、そんな瑠宇斗も大好きな所だと店に戻ろうとした時、
 「危ないっ‼︎」
 瑠宇斗は瑞穂の手を引っ張り、抱き寄せると突風が吹き抜けた。
 「な、何?突風?」
 瑞穂が瑠宇斗の顔を見ると、突風の先を見て顔を歪めている。瑞穂には見えていない瑠宇斗の目線の先にいたのはイタチだった。
 「狸のやつから聞いた通りだ。銀狼が人間に化けてるって聞いて見に来たら・・・力を封じてるのか。その女を庇うっていうことは・・・その女を傷つける方が良さそうだな」
 イタチの言葉に顔を歪める瑠宇斗は、瑞穂がいるとイタチと戦えないと、静かに瑞穂に語り掛けた。
 「瑞穂?俺との約束、守れるか?」
 瑞穂は怖いながらも、瑠宇斗を信じて頷いた。
 「俺が行けと言ったら走って、店に入ったらドアを閉めろ。俺が戻るまで決して開けるな。いいな?」
 「は、はい。瑠宇斗さんは?」
 「俺が言ったことだけ守れ。・・・今だ!行け!」
 瑞穂は瑠宇斗に言われた通り、脇目も振らずまっしぐらに店に入り、ドアを閉めた。
 「逃がしたか・・・まぁ、小娘は後で遊んでやるとして、狸のやつがあやかし銀狼の瑠宇斗に勝つくらいなら、俺だって勝てるに決まってる。瑠宇斗に勝てば箔がつくってもんだ」
 「俺に勝つ?本気か?ならついて来い!」
 瑠宇斗は場所を変えるため、山へと走り出した。
 「ははぁーん。俺様が怖くて助けを求めに行ったのか。そうはいかんぞ」
 イタチが追いかけると、ひと目がつかない山の中に瑠宇斗は立っていた。
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