あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「こんにちは」
 「いらっしゃいませ!」
 ときよ屋に入って来たのは、胸元が強調された黒のTシャツにスキニーデニムパンツを履いた女性で、髪は狐色でレイヤーカットにウェーブが掛かり、色っぽい切れ長の目が、より一層妖艶さを引き立てた。
 何処かのモデルさんかなぁ・・・瑞穂は山登りには似つかわしくない人に戸惑いながら、注文を聞きにそばに寄った。
 「何かご注文されますか?道案内でしたら、もう少しお待ちいただくことになりますが・・・」
 「瑠宇斗いる?」
 「えっ?」
 「ここに瑠宇斗いるでしょ?」
 「い、今、外に出ていて直ぐに戻ってくると思いますが・・・」
 「なぁんだ、まだ戻ってないのね・・・あっ、ごめんね!私、瑠宇斗の知り合いなの。待たせてもらうわね!まだお客もいないようだし、いいでしょ?」
 「は、はい。どうぞ・・・」
 瑠宇斗の知り合いと聞いて、ドキッとした。 
 こんなに綺麗な人が知り合いにいたら、瑞穂を子供扱いするはずだ。
 「ねぇ、あなた、瑠宇斗のこと好き?」
 唐突に核心を突かれドキッとして、見抜かれたことに体の熱が一気に上がって、顔が火照る。
 「好きなのね・・・瑠宇斗、カッコいいものね。見かけだけじゃないし・・・」
 瑞穂はただ、黙って俯いた。
 「長く付き合ってるけど、芯がブレないし、強いし、優しい・・・好きになって当然よ。私も大好きだから・・・」
 『長く付き合ってる』『私も大好きだから』その言葉が瑞穂の心に突き刺さった。
 こんな綺麗な彼女がいたんだ・・・それもずっと前から・・・そうだよね、あんなにカッコいいんだもん。私に優しいのはドジで妹みたいな存在・・・ただそれだけ・・・

 「ただいま」
 そこに、捜し人が見つからなかった瑠宇斗が帰って来た。
 「お、お帰りなさい、瑠宇斗さん」
 「予定より遅くなったが、大丈夫だったか?少し俺が店番してるから、休憩でも」
 「あっ、あの・・・瑠宇斗さんにお客さんが・・・」
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