あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
【寂しくて嬉しい花火大会】
 8月になると、かき氷と冷やしお汁粉を目当てにご近所さんがやって来るときよ屋に、今日は、週に1度、和子率いる熟年マダム達がやって来て、瑠宇斗は次から次にマダム達に話しかけられ、なかなか離してくれなかった。
 「ねぇ、瑠宇斗君、聞いてくれる!昨日ね」
 「あら、次は私よ!あのね、瑠宇斗君。この服なんだけど、どぉ?主人が派手だって言うのよ!似合ってるわよね?」
 「ちょっと!瑠宇斗君が困ってるじゃない。ねぇ、瑠宇斗君?そんなことより」
 「まだ私の話が終わってないから、待ってて!」
 マダム達が瑠宇斗と話す順番で揉めだした時、瑠宇斗は集団からそっと抜けだして来た。
 「瑠宇斗君、大丈夫?いつもこうなるんだから、順番決めて来たらいいのに・・・今度からは時間を決めるわね。1人5分にするわ」
 賑やかな声に奥から出て来た登喜代は、週に1度の風物詩に呆れた様子でまた奥に入って行った。
 「確かに、登喜ばぁの言う通りだけど、あれも楽しみの1つなんだよね、きっと」
 「お店に来てくれるんだ。有り難いことだよ」
 結局マダム達は、そのあと瑠宇斗がいなくても、楽しそうに盛り上がっていた。

 そんな中、
 「こんにちはぁ!今年もお店にこのポスターを貼ってもらえますか?」
 町内会の人が、丸めたポスターを手に持って中に入って来た。
 「何のポスターですか?」
 「毎年開催される花火大会です。今年もやりますので」
 「花火大会・・・分かりました。貼っておきますね」
 「宜しくお願いします。今年も商店街でお買い物した方に、花火大会が終わったら当選者を発表するくじを配るので、応募してくださいね!」
 町内会の人が帰ったあと、ポスターを広げて、お店に貼った。
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