あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「あの・・・瑠宇斗さん、花火大会に行きませんか?」
 瑞穂は彼氏が出来たら、花火大会に行きたいと思っていた。毎年そう願っていまだに叶っていない。例え彼氏じゃ無くても、大好きな人との思い出として、瑠宇斗と一緒に行きたい・・・
 「花火大会か・・・」
 瑠宇斗はいつも、山の頂上付近の岩肌に座り、目の前で鮮やかに弾ける花火を見ている。
 母がこの時代に生きていれば、きっと喜ぶだろうと・・・皆が幸せそうに空を見上げる中、母を思う時間が好きだ。
 「もしかして・・・他に誰かと行く約束してるとか・・ですか?」
 「いや、約束はしてないよ。俺と一緒でいいの?」
 「だって、地元じゃないから友達もいないし、登喜ばぁは和子さん家に行くらしいし、1人は寂しいなぁって」
 「・・・いいよ、行こうか」
 「はいっ!」
 「そうだ、今から登喜代さんに頼まれた買い物に出掛けるよ」
 「あっ、ちょっと待って下さい!私も買い物に行きたいから、登喜ばぁに店を留守にしていいか聞いてきます!」
 一緒に出掛けるなんて、買い物くらいしかないから、登喜代に懇願して、一緒に行くことを承諾してもらった。

 🐺🐺🐺
 町に出ると、瑠宇斗は真っ先に『キゼラ』に向かった。
 「こんにちは、新河さん」
 「あっ!瑠宇斗さん!先日はありがとうございました」
 「買い物の前に気になって来ました。お元気そうで安心しました」
 「お陰様で・・・色々ありがとうございます。あの、お隣の方は?」
 「初めまして。店主の孫で、一緒にお店で働いている天宮です。」
 「初めまして。あっ、うちのネックレスですね?ということは・・・彼女さんですか?」
 「い、いえ違います!私が欲しがっていたので、瑠宇斗さんが・・・」
 「よくお似合いですよ」
 「私、ここのお店の商品が好きで・・・見ていいですか?」
 「えぇ、どうぞごゆっくり」
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