あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「登喜ばぁ!ちょっと!」
 瑞穂は登喜代に近づいて、瑠宇斗から距離をおいて小声で話した。
 「団体じゃなくて、2人きりなんだよ?」
 「いいじゃない。瑞穂が1人より、瑠宇斗君がいてくれたら安心だわ」
 「孫が男の人と行くんだよ?いいの?」
 「瑠宇斗君だから安心なのよ。それとも、瑠宇斗君が瑞穂に何かすると思ってるの?あぁ・・・もしかして・・・願望かしら?」
 「そ、そんなわけないでしょ!」
 「じゃあ、逆なの?瑞穂が狼になっちゃうとか?」
 「な、な、何言ってるの!」
 「じゃあ、いいじゃない!ねっ?」
 「う、うん・・・」
 話し終えると瑞穂は瑠宇斗に向かって、
 「瑠宇斗さん・・・一緒に行きませんか?」
 と、鼓動の音が聞こえるんじゃないかと思うほど、ドキドキしながらお願いした。
 「あぁ、いいよ。瑞穂1人じゃ心配だしな」
 「じゃあ、1週間後に予定します」
 「分かった。じゃあ、俺は帰ります。登喜代さん、瑞穂、また明日」
 瑠宇斗は店を出て、その背中を見送った瑞穂は、2人での旅行記に色々な空想が頭を駆け巡っていた。
 「はっ!下着とか買いに行かないと」
 「・・・瑞穂ちゃん・・・まさかあなた・・・」
 「・・・な、何変なこと想像してるのよっ、登喜ばぁ!ちょ、丁度、新しいのが欲しかったからよ!」
 「やだぁもぉー、冗談よ。それに瑠宇斗君は・・・」
 「ん?それに?」
 「あ、あぁ・・・そ、それに瑠宇斗君は紳士だからね。あらっ、こんな時間。瑞穂ちゃんに付き合ってる場合じゃ無いわ。さぁ、片付けないと」
 登喜代は『瑠宇斗君はあやかしだから』と言いそうになった言葉を呑み、奥の厨房に戻って行った。
 「登喜ばぁったらまったく・・・あっ、早速、予約の連絡しないと!」
 瑞穂はウキウキしながら、リズミカルに2階へと上がって行った。
 その頃、瑠宇斗はというと・・・

 「瑠宇斗。どうだ?見つかりそうか?」
 「緑運さん・・・すみません、なかなか見つからず・・・」
 「それはお互い様だ。もしかして、力を持っていても開花していないかもしれない。何かのタイミングで力が現れるかもしれないから、引き続き頼んだぞ」
 「はい。癒怒之神様は大丈夫ですか?」
 「あの方なら大丈夫だ。少しでも進行を遅らせるよう、ずっと神の領域で力を使われている。お任せしよう」
 「では、今日は西の方に向かいます。山と町は宜しくお願いします」
 「あぁ、頼んだぞ、瑠宇斗・・・」
 あと半年・・・何としても見つけないと・・・
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