あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 🐺🐺🐺
 「さぁ・・・探したわよ。主は何処?案内してね、信司」
 最近騒がせているあやかしは、今、信司を操っている。きっと信司は山に登った時、そのあやかしに目を付けられたのだろう。
 「私の山でお遊びは、ほどほどにしないとね・・・」
 百花は信司が怪我をしないように気をつけながら、相手に気づかれないように妖気を抑えて後ろからついて行った。
 しばらくすると信司は立ち止まり、操るあやかしが目の前に現れた。
 「よしよし、俺の遊び相手よ、ようこそ」
 「あらっ、あなただったの?瑠宇斗に追い出された狸さん」
 「お、お前は百花!」
 「ここも私の縄張りなの。知らなかったの?」
 「隣の山に行ったはずだが・・・方向を間違ったのか!」
 「何処に行っても無駄よ。私達は何処にでも現れるんだから。瑠宇斗もね」
 「フンッ!あの山は俺様が出て行ってやったのさ」
 「あら、今、瑠宇斗、この町に来てるのよ。呼んできましょうか?」
 「えっ!瑠宇斗が何故・・・」
 「まぁ、あなた如き、そんな必要も無いけどね。ところで・・・この男の術を解いてくれる?」
 「嫌だね。俺様は妖力を磨いて強くなった!その男が証拠だ!もっと強くなって、そいつらが戦うように操る!人間を傷つけないお前達は、手を出せないだろ!そうか・・・丁度いい!人間よ、そいつを痛めつけろ!」
 信司は尋常じゃ無い力で百花を押し倒し、しばらく取っ組み合いになったが、百花の手刀で気絶した。
 「さてと・・・私、卑怯者って許せないのよね。あっ、そうそう。私、瑠宇斗ほど優しくなくてね。手加減出来るかしら・・・」
 百花は狐の姿になり、威嚇した。
 「なんだ?俺様とさほど変わらないじゃないか!」
 子狐の百花に悪態をつく狸に、百花は呆れる様子でため息をついていた。
 「これは私の昔の姿なのよ。これくらいが可愛くていいんだけど・・・仕方ないわね」
 そう言うと、体が大きくなっていき、銀狼よりひと回り小さいくらいの体に変化した。
 「やっぱり可愛くないわね・・・」
 幾つもに分かれる尾を広げ、鋭く大きな牙と圧倒的な妖力の強さに、狸は凍りついたように固まり、やがて震え出した。
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