あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 🐺🐺🐺
 「あっ、瑠宇斗さーん、瑞穂さーん!こっちですよー!」
 瑠宇斗達がボート乗り場に近づくと、新河達が待っていた。
 「お待たせしました。では、早速行きましょうか。俺達、夏に一緒に乗ろうって約束してたから、新河さん、裕実さんを宜しくお願いします」
 「はい、僕達もさっき意気投合して、もう少し話をしたいと思っていたところなんです」
 「じゃあ、またあとで」
 瑠宇斗と瑞穂は2人でボートに乗り込んだ。
 「瑞穂、覗き込んで落ちるなよ。ドジなんだから」
 「お、落ちませんし、ドジじゃありません!」
 2人がいつもの掛け合いをしながら遠ざかって行くのを見て、新河と裕実は苦笑いしていた。
 「付き合っているかと思っていたけど、そうじゃないらしい・・・不思議だなぁ」
 「でも、凄くお似合いですね・・・」
 「さぁ、僕達も行こうよ」
 新河と裕実も続いてボートに乗り込んだ。
 「こうやって湖の中にいると、凄く不思議な気分だよ。僕達って、自然の中にいると無力さを感じる」
 「自然のパワーって凄いですよね」
 美味しいお弁当を朝から作ってくれて、明るく楽しそうに話をして、新河の話に耳を傾ける裕実に、新河は心地良さを感じ、人とこんなに心から楽しく話せたのは久々だと、胸がいっぱいになった。
 「瑠宇斗さんが僕のためにこんな素敵な時間を作ってくれて・・・それに付き合ってくれてありがとう・・・」
 「あの・・・彼女さんのこと今でも・・・いえ、ごめんなさい。余計なことを・・・」
 「ううん、いいんだ。前に進んでいるつもりなのに、やはりふと彼女のことを思い出すんだ。酷い言葉を言ったから」
 「彼女さんは、それも覚悟されていたんじゃないでしょうか・・・」
 「きっとそうだと思う。ただ、自分が許せなかっただけで・・・瑠宇斗さんが佳美はもう許してるっていうけど、思い出すと自分自身が情けないんだ。口に出してしまった言葉は、取り返しがつかないと分かっていたのに・・・会って謝ることも出来ないのにね・・・」
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