あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「わ、分かりました!ちょ、ちょっと待っててください、登喜ばぁを呼んで来ます!あっ!」
 こんなに鼓動が賑やかに弾むことは初めての経験で、焦った瑞穂は何も無いところで足が突っかかってしまい、倒れそうになったのを瑠宇斗が素早く駆けつけて、瑞穂を抱き支えた。
 「気をつけろよ。ドジだな、瑞穂は」
 今・・・動いたのが見えなかった・・・凄い身のこなし方・・・ただ、今はそれよりも・・・
 瑞穂は抱き支えられていることに体中が火照ってしまった。
 「ド、ドジじゃありません!」
 だからあなたのせいですよ!と叫びたい気持ちを抑え、瑞穂は奥の部屋にいる登喜代を呼びに行った。

 「あらぁ、瑠宇斗くん。待ってたわよ」
 「はい、今日からお世話になります。登喜代さん」
 「こちらこそ宜しくね!えっと、この子は孫の」
 「瑞穂ですね」
 「まぁ、もうそんなに仲良くなったのね!嬉しいわ!」
 得体の知れない瑠宇斗は、にこやかに登喜代と話をしている。
 瑞穂は瑠宇斗の極上イケメンに、あっという間にSNSで広がり大騒ぎになる風景が頭に浮かんだ。
 「ちょっと、登喜ばぁ」
 瑞穂は登喜代を厨房の方へ連れて行き、小声で語りかけた。
 「登喜ばぁ・・・まさかとは思うけど、お店の宣伝のために瑠宇斗さんを?」
 「そんなわけないでしょ!」
 瑞穂の肩をポンと叩き、登喜代は瑠宇斗の方へと歩き出した。
 「お待たせ!さぁ、2階に行きましょう。瑞穂、店番宜しくね!」
 登喜代は瑠宇斗を連れて、2階へと上がって行った。
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