あやかし銀狼に恋をして〜じれ恋はやがて溺愛に包まれる
 「ヘデラとも言うんだね。花言葉なんてあるんだ。友情、誠実・・・永遠の愛・・・それから・・・」
 瑞穂は出て来る言葉に胸がいっぱいになった・・・
 「瑠宇斗さん、きっと新河さんに言われただけで何も知らずに・・・それに『友情』という意味で葉のモチーフが得意な新河さんも選んだだろうから・・・でも、嬉しい・・・」
 時が流れないで欲しい・・・本当はいつもそう願っているけど・・・
 時計の針は止まることなく、動いている。
 そして、その時は直ぐにやって来た・・・

 🐺🐺🐺
 「癒怒之神様、緑運さん。申し訳ありませんでした。1年間捜しましたが、力を継ぐ者は見つかりませんでした」
 「瑠宇斗、ご苦労だった。皆にも声を掛けていたが、特殊な力を持つ者がいても、ふみの子孫らしき者はいなかったようだ」
 「では、この山は・・・」
 「何とか抑え続けてきたが・・・あとは人間の念が何処までスピードを速めるかだが、朽ちるのは時間の問題だろう。瑠宇斗、明日、ときよ屋に挨拶をしてきなさい」
 「・・・はい、承知しました」

 そして夜が明け、翌日。瑠宇斗は最後となるときよ屋の店の前で立ち止まり、初めて来た時からの出来事を思い出した後、2階に上がると登喜代が片付けをしていた。
 「登喜代さん、瑞穂は?」
 「買い物を頼んだのよ。どうしたの?神妙な顔して・・・」
 「1年間という約束の日が、今日となりました。大変お世話になり、ありがとうございました」
 「そう・・・とうとうお別れの日が来たのね・・・」
 「それで・・・この山のことですが・・・四季を楽しめることも無くなると思います。そうなれば・・・」
 「そうなのね・・・教えてくれてありがとう。でも、お団子を食べに来てくれる人がいる限り、頑張るわ!それが終わる時が来れば、息子達のいる東京に戻るしかないわね」
 「山を・・・ときよ屋を守れずにすみません・・・」
 「瑠宇斗君のせいじゃないわ・・・ただ・・・瑠宇斗君がいなくなるのは分かっていても、瑞穂が悲しむわね・・・」
 瑠宇斗にとって1番の心残り・・・それは瑞穂のことだった。
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