愛に目覚めた冷徹孤高の心臓外科医は、政略結婚妻を離さない ――旦那様、この結婚は契約ですよね?
ウェルネススペースは俺のリラックスルームだ。今日も万智は、そこに俺の好きなお香を炊いていてくれた。万智がそこにいるだけで気持ちが安らぐのだから、俺はもうどうにかしているのかもしれない。
声をかけようとしたが、先に万智が口を開いた。バザーの様子を見に行ったお礼を告げてきたのだ。会話の中で、万智はまたイヤリングに触れた。それで、俺の気持ちは掴まれてしまう。
だが、万智は俺の贈ったイヤリングのおかげで〝妻の務め〟を果たせた、と言った。
『〝妻の務め〟か……』
そうこぼしてしまったのは、俺の想いがまだまったく万智に届いていないと思い知ったからだ。
最初から、彼女はこの結婚をビジネスライクに捉えているとわかっていた。そして、それは今も変わらないということを、この言葉で突きつけられたのだ。
俺はまだまだ、万智に男として意識されていなかった。その事実を受け止めた俺は、彼女の耳元で揺れるイヤリングに触れた。
『俺は、万智が俺の妻でよかったと思っている。ひとりの人間として、君を尊敬しているよ』
そんな君だから、俺は気持ちをかき乱されるんだ。万智に惹かれているという気持ちが届かないならば、それだけでも伝えたいと思った。
万智の頬をそっとなぞると、彼女は俺をじっと見つめてきた。
かわいい。もっと、彼女に触れたい。俺は衝動的に、彼女のおでこに口づけた。万智の顎をすくい上げると、彼女は頬を赤らめながらもこちらを見つめる。
そうしたら、止められなかった。唇と唇を合わせる。気持ちが高揚し、次のステップに進みたくて仕方がなくなる。理性というのは、砕け散ることがあると知った。
――〝妻の務め〟としてなら、万智は受け入れてくれるかもしれない。
『そろそろ世継ぎも考えないといけないな』
俺はずるい言葉で彼女に迫り、先ほどよりも激しく、何度も彼女に口づけを落とす。力の抜けてしまった彼女を抱き上げ、ベッド上に縫い留めた。
声をかけようとしたが、先に万智が口を開いた。バザーの様子を見に行ったお礼を告げてきたのだ。会話の中で、万智はまたイヤリングに触れた。それで、俺の気持ちは掴まれてしまう。
だが、万智は俺の贈ったイヤリングのおかげで〝妻の務め〟を果たせた、と言った。
『〝妻の務め〟か……』
そうこぼしてしまったのは、俺の想いがまだまったく万智に届いていないと思い知ったからだ。
最初から、彼女はこの結婚をビジネスライクに捉えているとわかっていた。そして、それは今も変わらないということを、この言葉で突きつけられたのだ。
俺はまだまだ、万智に男として意識されていなかった。その事実を受け止めた俺は、彼女の耳元で揺れるイヤリングに触れた。
『俺は、万智が俺の妻でよかったと思っている。ひとりの人間として、君を尊敬しているよ』
そんな君だから、俺は気持ちをかき乱されるんだ。万智に惹かれているという気持ちが届かないならば、それだけでも伝えたいと思った。
万智の頬をそっとなぞると、彼女は俺をじっと見つめてきた。
かわいい。もっと、彼女に触れたい。俺は衝動的に、彼女のおでこに口づけた。万智の顎をすくい上げると、彼女は頬を赤らめながらもこちらを見つめる。
そうしたら、止められなかった。唇と唇を合わせる。気持ちが高揚し、次のステップに進みたくて仕方がなくなる。理性というのは、砕け散ることがあると知った。
――〝妻の務め〟としてなら、万智は受け入れてくれるかもしれない。
『そろそろ世継ぎも考えないといけないな』
俺はずるい言葉で彼女に迫り、先ほどよりも激しく、何度も彼女に口づけを落とす。力の抜けてしまった彼女を抱き上げ、ベッド上に縫い留めた。