愛に目覚めた冷徹孤高の心臓外科医は、政略結婚妻を離さない ――旦那様、この結婚は契約ですよね?
だが、人気を隠れ蓑にして、病院の金で私腹を肥やしているというのなら。そんな黒い裏の顔があるのなら、暴けば一発で彼らは終わる。
それに、彼らが没落すれば、病院だけでなく、万智をも守れるはずだ。
その調査をしているがなかなか尻尾を掴めないという理事長に、俺は決意を込めて口を開いた。
「理事長、その調査、俺にもやらせてください」
すると理事長はわずかに眉を動かし、探るように俺を見る。そんな彼に、俺はスマホを取り出し見せた。
「実は、万智のことで看過できない事態が起きているんです」
見せたのは、無残にひっくり返されたフラワーアレンジメントの写真だ。
「万智が心を込めて生けたものを、沙久良が……院長の娘が、台無しにしたようです。それでも万智は健気に、負けじと頑張っている。そんな妻を、そしてこの病院を、俺はこれ以上汚させたくないんです」
すると、写真に目を向けていた理事長がゆっくりと顔を上げた。俺を見るその視線には、値踏みするような鋭さの中に、父親としての苦渋が混ざっているような気がする。
「君は、万智を大切に思ってくれているんだな」
「はい、俺の、かけがえのない妻ですから」
すると、理事長は憑き物が落ちたようにふっと表情を緩めた。
「鴎川のことも、病院のことも、……そして万智のことも。君に、すべてを託したい。どうか、よろしく頼む」
それに、彼らが没落すれば、病院だけでなく、万智をも守れるはずだ。
その調査をしているがなかなか尻尾を掴めないという理事長に、俺は決意を込めて口を開いた。
「理事長、その調査、俺にもやらせてください」
すると理事長はわずかに眉を動かし、探るように俺を見る。そんな彼に、俺はスマホを取り出し見せた。
「実は、万智のことで看過できない事態が起きているんです」
見せたのは、無残にひっくり返されたフラワーアレンジメントの写真だ。
「万智が心を込めて生けたものを、沙久良が……院長の娘が、台無しにしたようです。それでも万智は健気に、負けじと頑張っている。そんな妻を、そしてこの病院を、俺はこれ以上汚させたくないんです」
すると、写真に目を向けていた理事長がゆっくりと顔を上げた。俺を見るその視線には、値踏みするような鋭さの中に、父親としての苦渋が混ざっているような気がする。
「君は、万智を大切に思ってくれているんだな」
「はい、俺の、かけがえのない妻ですから」
すると、理事長は憑き物が落ちたようにふっと表情を緩めた。
「鴎川のことも、病院のことも、……そして万智のことも。君に、すべてを託したい。どうか、よろしく頼む」