愛に目覚めた冷徹孤高の心臓外科医は、政略結婚妻を離さない ――旦那様、この結婚は契約ですよね?
その日のうちに、瑞樹さんを通して正式にパーティーのお花の依頼を受け取った。瑞樹さんも「よくやった」と喜んでくれたけれど、私は硬い顔しか返すことができなかった。
失敗してしまったら、彼に失望されてしまうかもしれない……。そんな不安が、胸をよぎったのだ。
いいえ、弱気になっていてはダメ。きちんと成功させるのよ。
「頑張ります」
私は瑞樹さんに、決意を込めてそう伝えた。
それからは、パーティーの生け花の構成を考える日々。一週間ほどしか時間がないうえ、伝統のある式典だから下手な構成にもできない。
病院に訪れると、トキさんもアドバイスをくれた。彼女は、やたらと花に詳しいのだ。
「でも、あなたの作品だもの。あまり私が出しゃばってもいけないわ」
トキさんはそう言いながらも、嬉しそうに色々と教えてくれた。
やがて、パーティー前日になる。すでにお花の注文を済ませ、会場への運び込みも手配もしてある。後は段取りを再確認して、挑むだけだ。
明日、瑞樹さんとともに会場入りする。私がお花を生けるのを、見守っていてくれるらしい。
そんな約束を交わしながらも、瑞樹さんと私はすれ違いの毎日を送っていた。
瑞樹さんは毎晩帰宅が遅く、朝も家を出るのが早い。そのため、ウェルネスルームでのお香の準備どころか、帰りも待っていなくていいと言われてしまった。
私は素直に従った。彼を待っている間に、またダイニングで寝てしまってもいけないからだ。
せめてもの代わりにと、私は夕飯や朝食を用意して冷蔵庫に入れていた。
ダイニングテーブルにメモを残しておくと、彼は残さず食べてくれる。そのうえ、メモにお礼の言葉も書き加えてくれていた。使った食器も、綺麗に洗っておいてくれる。
忙しい中でも、私のために動いてくれている。だからこそ、私はもっと妻として支えなくてはと思うのに、実際役に立てているのかどうか心配だ。
いやいや、なにを弱気になっているの。
とにかく明日、瑞樹さんの見ているなかで立派に花を生けて、しっかりと妻の務めを果たすのよ。
そう言い聞かせながら、瑞樹さんの帰宅を待つ。今日は明日にパーティーを控えているから、早く帰ると聞いているのだ。
失敗してしまったら、彼に失望されてしまうかもしれない……。そんな不安が、胸をよぎったのだ。
いいえ、弱気になっていてはダメ。きちんと成功させるのよ。
「頑張ります」
私は瑞樹さんに、決意を込めてそう伝えた。
それからは、パーティーの生け花の構成を考える日々。一週間ほどしか時間がないうえ、伝統のある式典だから下手な構成にもできない。
病院に訪れると、トキさんもアドバイスをくれた。彼女は、やたらと花に詳しいのだ。
「でも、あなたの作品だもの。あまり私が出しゃばってもいけないわ」
トキさんはそう言いながらも、嬉しそうに色々と教えてくれた。
やがて、パーティー前日になる。すでにお花の注文を済ませ、会場への運び込みも手配もしてある。後は段取りを再確認して、挑むだけだ。
明日、瑞樹さんとともに会場入りする。私がお花を生けるのを、見守っていてくれるらしい。
そんな約束を交わしながらも、瑞樹さんと私はすれ違いの毎日を送っていた。
瑞樹さんは毎晩帰宅が遅く、朝も家を出るのが早い。そのため、ウェルネスルームでのお香の準備どころか、帰りも待っていなくていいと言われてしまった。
私は素直に従った。彼を待っている間に、またダイニングで寝てしまってもいけないからだ。
せめてもの代わりにと、私は夕飯や朝食を用意して冷蔵庫に入れていた。
ダイニングテーブルにメモを残しておくと、彼は残さず食べてくれる。そのうえ、メモにお礼の言葉も書き加えてくれていた。使った食器も、綺麗に洗っておいてくれる。
忙しい中でも、私のために動いてくれている。だからこそ、私はもっと妻として支えなくてはと思うのに、実際役に立てているのかどうか心配だ。
いやいや、なにを弱気になっているの。
とにかく明日、瑞樹さんの見ているなかで立派に花を生けて、しっかりと妻の務めを果たすのよ。
そう言い聞かせながら、瑞樹さんの帰宅を待つ。今日は明日にパーティーを控えているから、早く帰ると聞いているのだ。