愛に目覚めた冷徹孤高の心臓外科医は、政略結婚妻を離さない ――旦那様、この結婚は契約ですよね?
クーペのエンジンを轟かせ、アクセルを踏み込む。以前、有明会の会合の時に沙久良が大声で自慢していたから、場所は覚えている。
別荘に着くと、見慣れぬ黒塗りのボックスカーが一台止まっていた。
万智、どうか無事であってくれ。
逸る気持ちで別荘の扉を開ける。万智を攫った犯人たちは万智を閉じ込めておくのが目的だったようで、警察に通報すると告げるとさっさと尻尾をまいて逃げていった。
万智を見つけて駆け寄り、転がされたままの彼女を抱き上げる。彼女は手足を拘束されていた。
『もう大丈夫だ。あいつらは拉致だけが目的だったみたいで、丸腰だった。もうなにかをしかけてきたりはしないだろう』
まだ小刻みに震える彼女を安心させるようにそう告げ、彼女の拘束を解く。
暗がりにやっと目が慣れてくると、目の間の彼女が目元を潤ませているのがわかり、俺は衝動的に彼女の頬に触れた。
『万智……ああ、よかった』
つい心の声がもれ、俺はそのまま万智を胸に抱いた。彼女は小さく肩を揺する。どれだけ怖い思いをしたのだろうと考えると、腸が煮えくり返る思いだ。
だが万智は開口一番、俺に謝ってきた。パーティーに間に合わなかったこと、俺に迷惑をかけたことを詫びてきたのだ。
『パーティーなんかどうでもいい。万智が無事で、本当によかった』
そう伝えるも、彼女は『妻失格ですね』と肩を落とす。俺パーティーに出られなかったことで、次期院長の座が危ぶまれることを心配していたのだ。
『まだわからないのか!?』
俺はつい、声を荒げてしまった。
『次期院長の座を手に入れることができたとしても、万智が隣にいなかったら意味がないんだ!』
言いながら、彼女を再び強く抱きしめた。
別荘に着くと、見慣れぬ黒塗りのボックスカーが一台止まっていた。
万智、どうか無事であってくれ。
逸る気持ちで別荘の扉を開ける。万智を攫った犯人たちは万智を閉じ込めておくのが目的だったようで、警察に通報すると告げるとさっさと尻尾をまいて逃げていった。
万智を見つけて駆け寄り、転がされたままの彼女を抱き上げる。彼女は手足を拘束されていた。
『もう大丈夫だ。あいつらは拉致だけが目的だったみたいで、丸腰だった。もうなにかをしかけてきたりはしないだろう』
まだ小刻みに震える彼女を安心させるようにそう告げ、彼女の拘束を解く。
暗がりにやっと目が慣れてくると、目の間の彼女が目元を潤ませているのがわかり、俺は衝動的に彼女の頬に触れた。
『万智……ああ、よかった』
つい心の声がもれ、俺はそのまま万智を胸に抱いた。彼女は小さく肩を揺する。どれだけ怖い思いをしたのだろうと考えると、腸が煮えくり返る思いだ。
だが万智は開口一番、俺に謝ってきた。パーティーに間に合わなかったこと、俺に迷惑をかけたことを詫びてきたのだ。
『パーティーなんかどうでもいい。万智が無事で、本当によかった』
そう伝えるも、彼女は『妻失格ですね』と肩を落とす。俺パーティーに出られなかったことで、次期院長の座が危ぶまれることを心配していたのだ。
『まだわからないのか!?』
俺はつい、声を荒げてしまった。
『次期院長の座を手に入れることができたとしても、万智が隣にいなかったら意味がないんだ!』
言いながら、彼女を再び強く抱きしめた。