愛に目覚めた冷徹孤高の心臓外科医は、政略結婚妻を離さない ――旦那様、この結婚は契約ですよね?
彼女はいつもと同じように、ダイニングで箸を綺麗に伸ばしていた。
出された夕食は、いつもと変わらない味。いや、なんだかいつも以上に美味しい気がする。
しかし同時に、怪我を負ってまでつくってくれたという事実に申し訳なさが募る。ご飯をつくってもらうことだって、当たり前ではないのだ。
「お口に合いませんでしたか? 申し訳ございません」
どうやらしかめ面をしていたらしい。俺は考え事をしていると、いつもこういう顔になってしまう。
思っていたのとは違うように受け取らせてしまうのはまずいと、俺は慌てて口を開いた。
「いや、うまい。いつもありがとう」
すると万智は一瞬きょとんとして、だけどすぐにいつもの顔で答えてくれた。
「ありがとうございます。本当は有明会の後に買い物に出ようと思っていたのですが、あんなことになってしまったので……ありあわせのものでつくりました」
「そうか……」
有明会と聞いて、胸のあたりがぞわっとした。
彼女は今後も、有明会を続けるつもりだろうか。沙久良とともに、活動を続けるのだろうか。
「有明会、抜けても構わないんだぞ?」
「え……?」
俺の提案に、万智は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。
出された夕食は、いつもと変わらない味。いや、なんだかいつも以上に美味しい気がする。
しかし同時に、怪我を負ってまでつくってくれたという事実に申し訳なさが募る。ご飯をつくってもらうことだって、当たり前ではないのだ。
「お口に合いませんでしたか? 申し訳ございません」
どうやらしかめ面をしていたらしい。俺は考え事をしていると、いつもこういう顔になってしまう。
思っていたのとは違うように受け取らせてしまうのはまずいと、俺は慌てて口を開いた。
「いや、うまい。いつもありがとう」
すると万智は一瞬きょとんとして、だけどすぐにいつもの顔で答えてくれた。
「ありがとうございます。本当は有明会の後に買い物に出ようと思っていたのですが、あんなことになってしまったので……ありあわせのものでつくりました」
「そうか……」
有明会と聞いて、胸のあたりがぞわっとした。
彼女は今後も、有明会を続けるつもりだろうか。沙久良とともに、活動を続けるのだろうか。
「有明会、抜けても構わないんだぞ?」
「え……?」
俺の提案に、万智は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。