愛に目覚めた冷徹孤高の心臓外科医は、政略結婚妻を離さない ――旦那様、この結婚は契約ですよね?
やがて、ピンポーンという軽快な機械音で呼び出され、婚姻届が受理されたと知らされた。瑞樹さんに頼まれていた、婚姻届受理の証明書を発行してもらう。
終始お祝いムードの窓口の女性職員を笑顔で交わし、私は市役所を出た。
見上げた空は、相変わらずどんよりと曇っていた。東に流れる雲の動きが、いつになく早い気がする。
さっさと帰ろう。結婚式は、明日だ。
瑞樹さんが帰宅する頃合いを見計らい、つくっておいた夕飯を温め直す。窓の外はすっかり暗くなり、鋭い風と雨が窓ガラスを叩いている。
玄関の扉が開く音がして、私は急いでそちらへ向かった。
「おかえりなさいませ。雨、大変でしたね。お風呂、温まっています」
「ああ」
瑞樹さんは目も合わせずにそう言って、書斎へ入ってしまう。
しばらくして風呂へ向かう彼を見届けて、私はキッチンへ戻った。
彼は風呂から出ると、ダイニングへやってくる。私は用意していた婚姻届受理証明書を、ダイニングにやってきた彼に手渡した。
ぺらっとした、たった一枚の紙。そこに、私たちが入籍したことと、私が〝望田〟姓になったことが載っている。まるで、契約通知書のように。
終始お祝いムードの窓口の女性職員を笑顔で交わし、私は市役所を出た。
見上げた空は、相変わらずどんよりと曇っていた。東に流れる雲の動きが、いつになく早い気がする。
さっさと帰ろう。結婚式は、明日だ。
瑞樹さんが帰宅する頃合いを見計らい、つくっておいた夕飯を温め直す。窓の外はすっかり暗くなり、鋭い風と雨が窓ガラスを叩いている。
玄関の扉が開く音がして、私は急いでそちらへ向かった。
「おかえりなさいませ。雨、大変でしたね。お風呂、温まっています」
「ああ」
瑞樹さんは目も合わせずにそう言って、書斎へ入ってしまう。
しばらくして風呂へ向かう彼を見届けて、私はキッチンへ戻った。
彼は風呂から出ると、ダイニングへやってくる。私は用意していた婚姻届受理証明書を、ダイニングにやってきた彼に手渡した。
ぺらっとした、たった一枚の紙。そこに、私たちが入籍したことと、私が〝望田〟姓になったことが載っている。まるで、契約通知書のように。