ポンコツ御曹司の初恋は…
「ところで俺たち同期なんだよね。同期会とか有るの?」
柏原君の話しに薫が食いついた。
「最近やってなかったから、やりましょう! 柏原さんのリクエストとか有ります?」
もう司さんの存在を忘れている。
「俺、現地採用で誰も知らないんだよね」
食事会のセッティングは任せてくださいとばかりに、調子にのってきた。

「柏原さんって彼女いるんですか?」
初めは緊張してたのに、合コン慣れしてる薫がつっこんだ。
それに話しながらも、さすが皆に料理なんかをきれいに取り分けている。
「いや、今はいないけど」
すかさず、そしてさりげなく聞いた。

「ならどんな人がタイプ何ですか?」
それでもお酒が入った薫が乗り出して聞いている。

「あまりグイグイくる子とかは苦手かも」
乗り出してた身体を椅子に戻した。
柏原君は策士か、自然にニコニコしながら答えてる。
おかげで薫が急におとなしくなってしまった。
「でも司はグイグイこられると断れないんだよな。押し負ける。でもほんとは一途に一人を思い続けているから相手も諦めて長続きしない」
そうなんだ…、司さん、思い続けている人がいるんだ。
あれ? 
ところで話し続ける柏原君はわざとではなく天然なのでしょうか?

「それって、鈴木と似てるね」
余計なことを言わないで!
「だってあんなに五月のこと好きだったのに、騙されて…」
薫さん、ちょっとあなた酔ってませんか?
「瀬戸って、一途に好かれるんだ…」
どうせ振られましたけど!
「薫、そろそろ終わりにした方が良いんじゃない?」
これ以上、余計なことを話さない様に早く帰さないと。

「なら俺が薫ちゃんを送っていくから、司は瀬戸を送ってあげて」
いやまだ終電有りますから。
「やったー、柏原さん、お願いします」
酔ってるのか振りなのかよく分からないけど、薫は機嫌よく席を立った。
< 21 / 40 >

この作品をシェア

pagetop