ポンコツ御曹司の初恋は…
司の気持ち
「司、元気にしてるか」
爺さんはノックもしないで勢いよく入ってきた。
和菓子屋の次男坊。
長男が店を継いで、東京の大学に行った爺さんが洋菓子に目覚めた。
本当は経営面を任されるつもりで大学に行ったようだけど、戦前の洋菓子の魅力にどっぷりはまり、兄弟での共同経営の話しは意外とあっさり無くなり、洋菓子の道もすんなりと認められたらしい。
今では『菓子処 伊集院』と『パティスリー伊集院』、『伊集院商事』の三つの会社、ホールディングスのトップ、会長だ。
「役員会議は昼からでは?」
やけに嬉しそうにしているのは、ろくでもないことを考えているに違いない。
「華ちゃんとは仲良くやってるか?」
ここでなぜ華の名前が出てくる?
最近うちで働きだしたらしいが…。
「おまえとの縁談を進めてやろうと思ってな」
やっぱりろくでもないことを考えてる。
「俺は父さんや兄さんのような政略結婚は考えてないから」
自分の知らないところで話が進んでいるのはやめて欲しい。
「何を言ってる。おまえの父親は、たまたま社会勉強にと頼まれて入ってきた知り合いのお嬢さんをアイツの秘書にしたら、惚れ込んで結婚したんだし、兄貴のほうは幼なじみだったけどモタモタしてたから周りが手助けして結婚にこぎ着けてやったんだ。兄弟揃っておまえもモタモタしてるから、手助けしてやっただけだからな。聞いたぞ、幼なじみが今でも好きだがモタモタしてるって」
まったく誰に聞いたんだ?
それに華は関係ないじゃないか。
そこへ、『とんとんとん』
ノックと同時にドアが開いて、俊輔が入ってきた。
「あっ、会長! 会議は午後からでは?」
慌てて入ってきたが会長がいることに驚いている。
「おぅ、柏原君も久しぶりだな。君も司の幼なじみのこと知ってるのか?」
驚いている俊輔を横目に見ながら爺さんは話を続けた。
「この前、ちょっとしたパーティーで、忍と一緒になってな…」
兄さんと?
「聞いたぞ。おまえもそろそろ誰かおらんかと思ってたら、幼なじみに気になる子がいるらしいと」
なんで兄さんにバレている?
「そんな話をしてたら、華ちゃんの親子が、『それはうちの華じゃないか』って話しになって。おまえが日本の小学校に通ってた頃、あの子もうちに遊びに来てたって言う話しになって!」
まて、あの時俺は8歳くらいだから華は2歳くらいじゃないか!
いくらなんでもあり得ない。
「爺さん、いくらなんでも2歳の赤ん坊相手に初恋はない」
まったく、隣で俊輔が肩を震わして笑ってる。
爺さんはノックもしないで勢いよく入ってきた。
和菓子屋の次男坊。
長男が店を継いで、東京の大学に行った爺さんが洋菓子に目覚めた。
本当は経営面を任されるつもりで大学に行ったようだけど、戦前の洋菓子の魅力にどっぷりはまり、兄弟での共同経営の話しは意外とあっさり無くなり、洋菓子の道もすんなりと認められたらしい。
今では『菓子処 伊集院』と『パティスリー伊集院』、『伊集院商事』の三つの会社、ホールディングスのトップ、会長だ。
「役員会議は昼からでは?」
やけに嬉しそうにしているのは、ろくでもないことを考えているに違いない。
「華ちゃんとは仲良くやってるか?」
ここでなぜ華の名前が出てくる?
最近うちで働きだしたらしいが…。
「おまえとの縁談を進めてやろうと思ってな」
やっぱりろくでもないことを考えてる。
「俺は父さんや兄さんのような政略結婚は考えてないから」
自分の知らないところで話が進んでいるのはやめて欲しい。
「何を言ってる。おまえの父親は、たまたま社会勉強にと頼まれて入ってきた知り合いのお嬢さんをアイツの秘書にしたら、惚れ込んで結婚したんだし、兄貴のほうは幼なじみだったけどモタモタしてたから周りが手助けして結婚にこぎ着けてやったんだ。兄弟揃っておまえもモタモタしてるから、手助けしてやっただけだからな。聞いたぞ、幼なじみが今でも好きだがモタモタしてるって」
まったく誰に聞いたんだ?
それに華は関係ないじゃないか。
そこへ、『とんとんとん』
ノックと同時にドアが開いて、俊輔が入ってきた。
「あっ、会長! 会議は午後からでは?」
慌てて入ってきたが会長がいることに驚いている。
「おぅ、柏原君も久しぶりだな。君も司の幼なじみのこと知ってるのか?」
驚いている俊輔を横目に見ながら爺さんは話を続けた。
「この前、ちょっとしたパーティーで、忍と一緒になってな…」
兄さんと?
「聞いたぞ。おまえもそろそろ誰かおらんかと思ってたら、幼なじみに気になる子がいるらしいと」
なんで兄さんにバレている?
「そんな話をしてたら、華ちゃんの親子が、『それはうちの華じゃないか』って話しになって。おまえが日本の小学校に通ってた頃、あの子もうちに遊びに来てたって言う話しになって!」
まて、あの時俺は8歳くらいだから華は2歳くらいじゃないか!
いくらなんでもあり得ない。
「爺さん、いくらなんでも2歳の赤ん坊相手に初恋はない」
まったく、隣で俊輔が肩を震わして笑ってる。