ポンコツ御曹司の初恋は…
俺は両親の都合でドイツで生まれ育った。
そして兄の中学受験のために、家族皆で一旦帰国することになったんだ。
兄は祖父母の家から日本の中学に行くことになり、準備のための帰国だった。
その間、俺は地元の小学校に通うことになり、そこに五月と出会うことになった。
ドイツでは家では日本語だけど、公園や幼稚園、近所でもドイツ語が飛び交っている。
日本小学校に通うことになり、普通に日本語で会話をしていたのに、ある時とっさに『ごめんね』というつもりだったのに『Tut mir leid』って言ってしまった。
そんな時に虐めっ子が『こいつ、英語で話して、外人じゃん』
ドイツ語なんだけど…、『外人!外人!』調子にのった数名の男子も騒ぎだした。
そんな時、同じクラスの五月が大きな声で助けてくれたんだ。
「男子達は日本語しか話せないのに伊集院君は
英語も話せるのに、凄いのに、なんでそんな言い方するの? 羨ましいだけでしょ!」
ドイツ語なんだけど…、その時のかっこいい五月に俺は一目惚れをしてしまったんだ。
兄が中学に進学して、また違う国に行く事になったが、彼女のことは諦められなかった。
そんな時、学級委員だった俊輔にお願いした。
『さっちゃんのこと、好きなんだ。また日本に帰ってくるまでさっちゃんのこと教えて欲しい』と。
真面目な俊輔は定期的に連絡をしてくれた。
学級日記の様に。