ポンコツ御曹司の初恋は…
とりあえず爺さんには説明をした。
華のことはなんとも思ってないどころか忘れていたくらいだし、俊輔のことも間違ってる、と。
悪い人ではないが先走りすぎ。
それにしても華は分かってたはずだ。
たしか今、アイツの親父の店は危ないと聞いている。
老舗デパートということだけで胡座をかいて何も改善できてない。
うちに入店を打診してきたが、まともな話ではなかった。
爺さんと兄さんの話を聞いて、乗っかってきたに違いない。

誤解を解いてもらったが、本当に全て誤解なんだろうか?
俊輔と五月のことは…。
俊輔の気持ちはどうなんだろう。
今まで疑いもしなかったが、ずっとそばで見てきたんだ。
好きになってもおかしくはない。
五月だって俊輔のことは思い出したみたいだけど、俺のことは何も覚えてないようだし。
俊輔がライバルなら…、勝てる気がしない。
勝てる要素がひとつもない。
アイツだって俺と同じ商社の次男坊、うちに勉強を兼ねて働きにきているが、いずれ戻って俺と同じような跡継ぎになる。

五月の同期と4人の食事に行った時や同期会の時、俺に気遣って、帰り二人にしてくれたけど、結局送ってはいけなかったし…、それにその前に二人で食事に行ってたらしいからなぁ。
俊輔なら諦められる…、ではなく諦めざる得ない。

ただ、華のことはちゃんと説明しなくては。
「俊輔、昼休みに五月を誘って昼飯に行ってくる」
このまま五月には疑って欲しくないから。
< 31 / 32 >

この作品をシェア

pagetop